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 金足農の一塁側アルプス席は、地元の人たちも応援に大勢駆けつけ、チームカラーの紫に染まった。

 教諭や生徒ら約250人は、横浜(南神奈川)を3回戦で破った17日から、ずっと関西に泊まり続けている。渡辺勉校長(55)は「秋田の農業高校が100回大会の決勝で戦えるなんて、夢だよ夢!」とうれしそう。

 同校OBで1998年夏、99年春の甲子園に来た進藤圭介さん(36)は、母校が4強入りしたと知って急きょ仕事を休み、家族でやって来た。「秋田ではコンビニのスポーツ紙は全て売り切れ。テレビで試合を見ているからか、街には誰もいない。いてもたってもいられず車を14、15時間走らせてきました」。試合後は涙が止まらなかった。「この勢いで東北勢初の優勝を成し遂げてほしい」

 秋田市の介護職員菊地稔さん(51)は金足農の在校生だった84年以来となる甲子園での応援。19日午後5時に秋田を出発して、午前0時ごろに大阪入り。「勝ち上がってきたこのままの勢いで我慢強く戦ってほしい」

 34年前は初出場で4強入りした。この日のレジェンド始球式で投げたPL学園(大阪)出身の桑田真澄さんに逆転本塁打を浴びて惜敗した。その時の金足農のバッテリーもアルプス席から見守った。捕手だった長谷川寿さん(51)は「桑田さんが投げ、うちのユニホームが打席に入る。何か運命みたいなものを感じますよね」。後輩たちの活躍について「奇跡ですよ、奇跡。試合を追うごとに成長していますね」と目を細めた。投手だった水沢博文さん(52)は「ここまできてくれたことを誇りに思っています」。

 地元の秋田市では市中心部でパブリックビューイングがあり、約950人が駆けつけた。勝利が決まると、「金農」コールが街に響き渡り、人々の笑顔がはじけた。