かあさんのせなか　山崎康晃さん（プロ野球選手）

　母はフィリピン出身です。僕が小学３年生の時に日本人の父と離婚しました。昼は工場、夜は飲食店で働きながら、２歳上の姉と僕を育てました。

　明るい性格で、僕らの前で落ち込んだり、愚痴をこぼしたりしたことはありませんでした。異国の地で子どもを守らないといけない、という気持ちが強かったのかな。体調が悪くてなかなか体が起こせない日でも必ず仕事に行っていました。幼い頃に夕食を家で一緒に食べた記憶は、ほとんどありません。

　それでも土日は野球に出る僕のために早朝から弁当を作ってくれました。疲れているのにキャッチボールをしてくれたこともあります。うれしかったですね。そんな姿を見て、僕も気づいたら皿洗いや洗濯物の片づけを手伝っていました。中学生ぐらいで「プロになって母を楽にさせる」と目標をたてました。

　その母が、僕が高校時代に初…