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「壊される海、民主主義崩壊と重なる」江上能義・琉球大名誉教授(政治学)

 沖縄は太平洋戦争で、本土決戦準備の時間稼ぎのために大きな犠牲を払い、戦後も70年以上、重い基地負担を背負わされてきた。「普天間飛行場を返してもらうために、なぜ新たな基地を差し出さなければならないのか」。沖縄側が発しているのは、極めて穏当な、当たり前の問いにすぎない。

 しかし安倍政権は、台風で壊れた港湾の代わりに民間の桟橋を使って土砂を搬出するなど強行策を次々と繰り出し、なりふり構わず土砂投入にこぎつけた。一地域の民意が丸ごと切り捨てられるというのは、民主主義国家として異常だ。こんな形で「新基地」を完成させたとしても、沖縄の人にとって「ヤマト(本土)にまた踏みにじられた記憶」を象徴するモニュメントになるだけだろう。

 日本の安全保障のために、米海兵隊の沖縄駐留が必要という意見は確かにある。辺野古への移設計画は国際的な約束であり、見直しは難しいのかもしれない。

 しかし、たとえそうだとしても、少数意見を尊重し、議論をあきらめずに解決策を探るのが本来の民主主義だ。辺野古の海が壊されていく光景は、この国の民主主義が崩壊していく姿とまさに重なって見える。

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 えがみ・たかよし 専門は比較政治学と開発行政学。77年から25年間、琉球大で教授などを務めた。03~17年は早大大学院教授。

■「『無策』の埋め立て、暴挙に…

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