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(21日、高校野球・決勝 金足農―大阪桐蔭)

 金足農は東北勢として3年ぶり9度目の決勝に臨む。深紅の大優勝旗が「白河の関」を越して東北の地に降り立ったことはなく、積年の悲願だ。

 第1回大会(1915年)で秋田中(現秋田)が準優勝して以来、半世紀以上、決勝から遠ざかった。第51回(69年)は元祖「甲子園のアイドル」の太田幸司を擁する三沢(青森)が、松山商(愛媛)との延長十八回引き分けに持ち込んだものの、再試合で敗れた。第53回(71年)は「小さな大投手」と呼ばれた田村隆寿がエースの磐城(福島)が決勝で競り負けた。

 平成最初の大会となった第71回(89年)は、仙台育英(宮城)が準優勝。その後は、関西出身の選手が東北で活躍の場を求めるケースが増える。第85回(2003年)はダルビッシュ有が活躍した東北(宮城)が、光星学院(青森、現八戸学院光星)は第93回(11年)から2年連続で決勝に進んだ。「高校野球100年」の節目を迎えた第97回(15年)では、仙台育英が決勝へ進んだが、あと1勝が遠かった。

 今回は、メンバー全員が秋田出身の金足農が、全国から選手が集まる大阪桐蔭に挑む。エースの吉田輝星(3年)は「秋田、そして東北の期待に応えたい」と闘志を燃やす。

 金足農が前回4強入りした第66回(84年)当時のバッテリーも決勝の応援に駆けつける。34年前は準決勝で桑田真澄と清原和博の「KKコンビ」を擁するPL学園(大阪)に惜敗した。捕手だった長谷川寿さん(51)は「僕らの時も『雑草軍団』がKKに立ち向かったように、『エリート』たちに向かっていく姿を見てワクワクする」と話す。

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 決勝の試合前の「レジェンド始球式」では、三沢OBの太田幸司さん(66)と、松山商OBの井上明さん(67)が登板する。

 2人は、1969年の第51回大会の決勝で投げ合い、両校無得点のまま史上初めて決勝で延長十八回引き分け再試合となった。4時間16分の熱戦で井上さんは232球を投げ、太田さんは262球を投じた。翌日の再試合は松山商が4―2で制して、4度目の全国制覇を果たした。

 太田さんは高校卒業後、プロ入りして近鉄など3球団で通算58勝85敗。井上さんは明大卒業後、朝日新聞記者となり長年にわたって高校野球を始めとしたスポーツ報道に携わった。