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(21日、高校野球・甲子園決勝 大阪桐蔭13―2金足農)

 東京都内でも秋田県出身者らが金足農の選手たちを見守り、大躍進をねぎらった。

 銀座のスポーツバー「ビーワン」には、県出身者約90人が詰めかけた。劣勢の展開でも「カナノー、頑張れ!」と声をからした。秋田犬の耳があしらわれたカチューシャをつけて観戦していた秋田県由利本荘市出身の佐藤飛鳥さん(37)は、午後は会社を休んで駆けつけた。「100年に1度の一大事ですから」。最近は家族や友人らと金足農の話題で持ちきりだった。試合後は、涙を浮かべた顔を手で覆い、整列する選手たちを見つめた。「こんなに秋田が一つになったのは初めて。全力で頑張ってくれた。本当に本当に、ありがとう」

 県勢の決勝進出は第1回大会で準優勝した秋田中(現・秋田)以来103年ぶり。秋田高OBの会社役員、伊藤博基さん(61)は「県勢の優勝はそう遠くないはず」と力を込めた。

 品川駅前のアンテナショップ「あきた美彩館」では健闘をたたえ、訪れた人に吉田輝星投手の出身地、潟上(かたがみ)市の地酒「太平山」が振る舞われた。秋田県東京事務所によると、「金足はどこにあるのか」と問い合わせが相次いだという。あきた売込み課の今野克徳副主幹(43)は「秋田を知ってもらえてうれしい」。

 準優勝に輝いた金足農について、全国農業協同組合中央会の中家(なかや)徹会長は「農業の勉強に励みながらも全力で頑張る姿には、全国の農業高校、さらには農業関係者も大いに勇気づけられた。健闘をたたえます」とのコメントを出した。

福岡のアンテナショップでもPV

 福岡市・天神にある北東北3県のアンテナショップ「みちのく夢プラザ」では21日、金足農の決勝進出で急きょ、パブリックビューイング(PV)が開かれた。60人近くが声援を送った。

 ショップは今年度で開設20周年を迎えるが、PVは初めて。来場者に「めざせ優勝」と書かれたうちわが配られた。ピンチの度に祈るように手を握りしめる女性もいた。秋田大会から一人で投げ抜いてきた吉田輝星投手がマウンドを降りる際は「よく頑張った!」と拍手が湧いた。

 福岡秋田県人会の中村靖(おさむ)会長(72)=福岡市西区=は103年前の第1回大会で準優勝した旧制秋田中が前身の秋田高卒。「秋田出身の生徒だけで、ようやりました。すばらしい後輩が育っていると思う」と感涙にむせんだ。