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(21日、高校野球・甲子園決勝 大阪桐蔭13―2金足農)

 「マウンドは俺の縄張り 死ぬ気の全力投球」

 帽子のつばにそう書いて臨んだ。金足農のエース吉田は言った。「大阪桐蔭はかわす投球では抑えられない。だから、最初から本気でいこうと」

 それは、準決勝までとは明らかに違う投球プランだった。「打たせてとるのが本来の姿」というのが自己分析のはず。場面ごとに力加減を変えて、相手を抑えてきた。残り1試合、相手は大阪桐蔭という要素が、力みを生んだ。

 出力全開の投球は、「最初は通用した」。一回、4番藤原を内角への変化球で空振り三振に。ただ、捕手の菊地亮は振り返る。「吉田は苦しそうだった。今まで見たことがない表情」。すでに甲子園6戦目。ここを無失点だったらまだ良かったが、暴投もあって3失点。そして、「初回から全力でいったことが後に響いた」と菊地亮は言う。

 五回に入り「お尻の辺りが思うように動かなかった」と吉田。7長短打を浴びて一挙6点を失った。「低めに伸びのある直球をと思っても、もう投げられなかった」。計12失点。この回限り、計132球で降板し、この夏初めて救援にマウンドを託した。

 甲子園で投じた球数は881。「出し切ったけど、歯が立たなかった」。潔く完敗を認めた。「悔しいままでは終われない。これからの野球人生で取り戻していきたい」。涙を拭いて、顔を上げた。(吉永岳央)