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 お笑いコンビ「南海キャンディーズ」の山里亮太さん(41)の著書「天才はあきらめた」(朝日文庫)が、発売から1カ月で7万部とヒットしている。2006年に出版した「天才になりたい」を改訂したものだが、心の闇や相方との確執などを赤裸々に大幅加筆し、お笑いに対して厳しい努力を続けてきた自身の半生を振り返っている。出版に際しての思いを聞いた。

 ――前作を書き直したとのことですが、そのアイデアはご自身で?

 「いえ、出版社から提案されて。絶版になっていたのですが、アマゾンなどでは中古が定価より高くて、『なんでだろう?』とは思っていたんです。それで12年ぶりに書き直しました。ただ、もう新しいものを書いたという感覚です。前の本がプロットで、それを元に書いたという」

 ――南海キャンディーズが世に出た、04年のM―1グランプリで披露した医者のネタも何度も何度も練り直し、書き直したとつづっています。そういう作業が得意なのですか?

 「僕は0から1を生み出すクリエーティブな能力はない。でも、既にあるものに対するアレンジは好きなんですよね。そういう意味では今回の改訂は非常に得意とする分野の作業でした。締め切りの1カ月前に書き上げました」

 ――ネタを事前に考える漫才と違い、テレビやラジオでの生放送でのやりとりは筋書きがありません。鋭い返しを出す際は、どんな思考回路なのですか?

 「努力で何とかなるものです。具体的には、各シチュエーションを瞬時に想定するんです。いっぱい引き出しを用意する。だから、時間があるときに、どれだけストックを仕込めるかということを常に考えてますね。例えば『透明感』という言葉に対して、どういう言葉のアプローチがあるのか、と。それを用意して、本番で選ぶんですよ」

 ――……そんなことを瞬時にできるのは、やっぱり天才では?

 「いや、練習してると何とかなる。僕はデビューの時から、ずっとその練習を重ねてきた。だから他の人よりも練習量が多くて、反応するスピードも上がってきているのだと思います」

 ――著書では自分の格好悪いところ、嫌なところをさらけ出すことで共感を得ているのでしょうね。しずちゃんとの確執のエピソードも強烈でした。マネジャーを通じて映画出演依頼を断らせようとしたとか。実際、字にするには、結構勇気が必要だったのでは?

 「あー……、実は出版後、みんなから『こんなに赤裸々に自分の醜いところを出して』と言われて初めて気づきました。『え? そんなに醜かったんだ。じゃあ、もうちょっと抑えればよかったな』というのが本音です。ただ、全部自分が本当にやってきたことです、はい……」

 「ただ、やっぱり何人かに言われますよ。昔ボコボコに他人をいじめていた不良が、更生して成功した後に『あの頃は間違ってた』と言ってるのに近いと。特に元相方の2人に対しては、そう言われると否定できないです」

 ――昔から、自分をさらけ出すことに関しては抵抗がなかったんですか? 割と引っ込み思案っぽい感じかと思ったので、少し結びつかないのですが。

 「小さい頃、何でも正直に言うことを親からほめられたので、『いいこと』という認識はありますね。だからまあ、母ちゃんには感謝してます。あと、自分のことを隠すのが下手なんですよね。隠す方法が分からない。こういったノートの存在や、お笑いに対して勉強をしていることって、芸人として本にして表に出すこと自体がダサいというのも分かりますし、自分でもダサいとは思います。でも、自分がやってきたことですからね」

 「お笑いに対して一生懸命で、努力をして頑張る、それを出す。これ以外の表現方法が分からなくて、ダサいと分かっていても書くしか方法がなかった。何枚もオブラートで包んだような表現にして自己啓発本みたいにすると、元々書きたかったものとは違う作品になると思った。だから、ありのままのことをつづったわけです」

 ――実は13年か14年前、メッセンジャーのあいはらさんの飲み会でご一緒した際、その場にいないしずちゃんのことを色々と「気にくわない」とおっしゃっていたのは覚えています。

 「おお、その場にいましたか。確かに言ってました。お恥ずかしいですが、本当に色んな人に言いまくってましたからね」

 ――今は、すごくいい関係ですよね。まだ嫉妬みたいなのはありますか?

 「うーん、何だろう。芸人としての器の大きさとか、人から好かれる感じとか、純粋に『すごいな』って思います。今日も劇場の出番で一緒でした」

 ――お笑い芸人だけど飲み会が嫌い、という告白も興味深かったです。それが自分の芸を磨く一つの要因になった?

 「そうですね。メンバーにもよりますが、気を使う飲み会には『行かない』という選択肢を出せる努力って存在すると思うんです。それから『行かない』と言ったからには『あの人の力は借りないんだぞ』という決意も生まれる。そのための努力の方が、飲み会に行く努力よりも絶対に自分の性に合ってるんですよね。『行かない』って言えた後の高揚感を維持したまま帰って作業したら、普段よりも4倍ぐらいネタを考えたりものを書いたりする作業がはかどります」

 ――そういうパワーがすごいですよね。バネにするというか。

 「そうですね。すごくケチなんですよね。『自分の時間が奪われる』という感覚が強いんですよ。本当に嫌なんです。時間を取られるのが」

インタビュー後半も盛りだくさん。絶対に許さない人との向き合い方も語ってくれました。

――その感覚でいうと、関東出身…

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