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 兵庫県は不足する介護人材を育成しようと、来年4月に県立総合衛生学院に介護福祉学科を新設する。民間の介護福祉士養成校では定員割れが続いているなか、県は年間の授業料を民間の半分以下に抑えるなどして介護現場のリーダーとなる人材を養成し、人材確保を狙う。

 新学科は2年制で、定員は1学年40人。同学院(神戸市長田区)の分校として、県福祉人材研修センター(同市中央区)に設置する。

 授業料は月額3万2500円で、年間計39万円。県によると、民間では学費が年100万円程度かかるという。同学院には約半世紀の歴史のある看護学科があり、医療に精通した教員が一部の授業を受け持つ。

 県社会福祉課の庄宏哉・企画調整参事は「授業料の安さと充実した授業内容が売り。高校などへのPRを続けて入学者を確保したい」と話す。

 介護の担い手不足は深刻だ。厚生労働省が5月に発表した推計によると、団塊の世代が75歳以上になる2025年度には、全国で約245万人の介護人材が必要になる。しかし、現状の供給ペースでは約33万6千人が不足する。県内では25年度は約10万9千人が必要だが、約2万人が不足する。

 県は今年度から3年間、毎年6千人の人材確保を目標に設定。高校・大学生らを対象に介護施設での職場体験や、親も参加できる施設見学のバスツアーを開催している。

 県内では6月末現在、7万人余りの介護福祉士が登録しているが、「報酬の低さなどからかなりの人が介護現場では働いていないとみられる」と県担当者。県は資格を持つ人の現場復帰を後押ししようと、無料の講習会を16年度から開き、17年度までに114人が参加し、38人が現場に復帰した。

 県が新たな養成に乗り出す一方、県内に11ある介護福祉士を養成する専門学校や大学・短大では、昨年度の入学者数が計192人と、定員(計505人)の4割に満たなかった。

 全国的にも同じ傾向で、日本介護福祉士養成施設協会によると、専門学校などの昨年度の定員の充足率は45・7%にとどまった。協会によると、介護は仕事がきついというイメージが背景にあるという。

介護人材、外国人も

 介護人材を海外に求める動きもある。

 西宮市で特別養護老人ホームを運営する社会福祉法人「ウエルライフ」は昨年9月、介護福祉士養成学校「篠山学園」(兵庫県篠山市)を開校した。

 16年に出入国管理及び難民認定法が改正され、介護を学ぶ留学生が介護福祉士の資格を取得すれば、在留資格が得られるようになった。現在、同学園ではベトナムや中国、ネパールなどの20~30代の女性約50人が学び、10月には新たに約40人が入学する予定だ。

 同学園の担当者は「国内の若者で介護を地方で学ぼうという人は少ない。外国人に門戸を開くには生活の支援など、受け入れる側の準備が大切」と話す。

 一方、県は今年度、県社会福祉協議会による「ひょうご外国人介護実習支援センター」の立ち上げを支援し、海外の送り出し機関との調整や実習施設のサポートをする予定にしている。

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http://www.asahi.com/apital/medicalnews/focus/(川田惇史)