青春18きっぷ、旅情ポスター四半世紀 効率と無縁の旅

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榊原謙
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 「前略、僕は日本のどこかにいます。」「ああ、ここだ、と思う駅がきっとある。」――。JRグループ「青春18きっぷ」の宣伝ポスターが、今夏もお目見えした。人はなぜ旅に出るのか。四半世紀余りにわたって80枚以上のポスターをつくってきた込山富秀さんは、今も考え続けている。

 18きっぷはJR全線の普通・快速列車が乗り放題になるJRの名物切符だ。毎年、春、夏、冬に売り出され、各シーズンには宣伝ポスターが駅などに貼り出される。歴代のポスター画像を集めたファンサイトがネット上にできたり、展覧会が各地で開かれたりするほどの人気ぶりだ。

 大手広告会社に勤める込山さんが、18きっぷポスターの仕事を初めて受けたのは1990年。それまでもJRの広告を担当していたが、いわゆる「鉄ちゃん」ではない。列車や車両が図柄のほとんどを占めるようなマニア向けのポスターにはしたくなかった。

 ではどうするか…

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