[PR]

 JR貨物とJR西日本は24日、西日本豪雨で山陽線が寸断され、運休中の貨物列車について、今月28日から山陰線を使った「迂回(うかい)輸送」を始めると発表した。山陰線への迂回輸送は阪神大震災があった1995年以来。名古屋と福岡からそれぞれ1日1往復させる。

 迂回ルートは倉敷駅(岡山県倉敷市)から伯備(はくび)線と山陰線を通り、益田駅(島根県益田市)から山口線で九州へ向かう。名古屋発は28日、福岡発は31日から運行を始める。7~8両編成で、5トンコンテナを30~35個積めるという。

 山陽線は東日本と九州を結ぶ物流の大動脈で、宅配便や農産物、自動車部品など幅広い荷物の輸送を支える。豪雨による寸断で、物流業界はトラック輸送への切り替えを余儀なくされ、輸送コストが上昇するなどの影響が出ていた。全国のトラック運送事業者でつくる「日本貨物運送協同組合連合会」などによると、2010年4月を100とした7月の成約運賃指数は123で、10年の調査開始以来、7月としては最高値を記録した。

 ただ、山陰線は単線のため、迂回による輸送量への効果は限定的だ。JR貨物は現在、トラックと船での代行輸送で通常の18・9%の輸送量を確保するが、迂回輸送で上乗せできるのは1%強の見込みだという。

 今回の迂回輸送は、山陽線の全線復旧を10月中とするJR西に対し、JR貨物が要請。山陰線は大半の区間でJR貨物としての運行実績がないことから、JR両社が安全面で問題がないかどうかなど、実現に向けて検討していた。

 山陰線はまた、大半が非電化区間のため、一部でしか使われていないディーゼル機関車の確保も必要だった。迂回輸送は東日本大震災などでも実施されたことがあるが、「これまでとは格段に条件が違った」(JR貨物)という。(中島嘉克)