92年、築地と歩み、消える 吉野家1号店

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抜井規泰
【動画】吉野家築地一号店の原田店長インタビュー=竹谷俊之撮影
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魚河岸ものがたり:27

 魚河岸の衆のパワーの源になりたい――。そんな思いから生まれた丼がある。

 「はやい、うまい、やすい」を志し、明治末に生まれた牛丼の「吉野家」。その1号店が、築地場内にある。市場が日本橋にあった頃から愛された味だ。関東大震災後は屋台で営業を続け、1926(大正15)年、いまに続く1号店が生まれた。

 早朝、手狭な1号店に、市場の人たちが次々とやって来る。でも、みな黙って座るだけだ。つゆだく、ネギ抜き、アタマ(具)の大盛り――。店長の原田和樹さんには、何百人もの常連の顔と「いつもの注文」が分かっている。毎日、同じ椅子に何も言わずに座るだけで、同じ品が出る。「そんな店は、世界中の吉野家で1号店だけです」(同社広報)。

 2004年、吉野家は危機に…

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