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 鳥のように大空高く、羽ばたきたい。そんな願いをかなえてくれる新競技のパラグライディングは25日から「クロスカントリー」が始まった。山の斜面から離陸し、上昇気流をつかんで高度を上げ、定められた通過点を巡ってゴールするタイムを競う。今大会は「アキュラシー」も採用され、こちらは的に着地する精度を競う。

 2種目両方で腕を磨く選手は少ない。世界選手権も別々に開く。だが、アジア大会は選手総数を抑えるため、全選手が2種目をこなすよう義務づけられた。日本はメダルが有望なクロスカントリー専門の選手に絞って派遣した。長年、アジアランキング1位だった呉本圭樹は「アキュラシーは用具も違う。今大会に備えて練習したのは2カ月程度」と明かす。アキュラシーでは中国、アフガニスタンの選手が墜落してけがをした。専門外の種目に挑んだ習熟度不足に起因する事故ではなかったようだが、得意種目以外だと、失敗のリスクは増す。

 近年、五輪など総合大会は肥大化が開催都市の財政を圧迫し、批判を浴びる。だから新競技が仲間入りする際、新参者の悲哀で妥協を強いられる例は珍しくない。

 今大会で初採用され、東京五輪でも行うスポーツクライミングは「ボルダリング」「リード」「スピード」の3種目をすべてこなす「複合」で競う。しかし、従来、3種目のすべてで大会に出るトップ選手は、ほぼいなかった。

 26日の女子複合決勝で、不得意種目に挑んだ選手の中にアジア女王を決める舞台には物足りない水準のパフォーマンスがあった。

 五輪やアジア大会での採用は、競技団体にとって認知度アップの起爆剤となる。だから「二刀流」や「三刀流」などの無理を、渋々受け入れてしまう。2日間の取材で、そんな実情が浮かび上がった。(編集委員・稲垣康介