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 2017年度の18歳未満の子どもに対する虐待件数が、27年連続で過去最多を更新した。3月には東京・目黒で虐待を受けたとされる5歳の女児が「おねがい ゆるして」と書き残して亡くなったばかり。悲劇を繰り返すまいと、児童相談所(児相)が管轄の市町村と役割を分けるほか、自治体が妊娠中から母親への支援に乗り出すなど、独自の取り組みが始まっている。

 「児相です。通告があったのでお話しさせて下さい」

 大分県の市町村職員が、模型で作った玄関のドアをたたく。相手は生活保護家庭で育った10代で、行政が嫌いという仮想の「親」。子どもの泣き声がするとの通告を受けて家庭訪問したという設定で、市町村職員がどう対応するかのノウハウを学ぶ研修の一幕だ。

 この様子を見ていた児相勤務10年の大分県中央児相の小野幹夫課長は、市町村職員に「『児相』『通告』という言葉は使わない。相手に心を開いてもらうことが大切です。『お母さん、ちょっといいですか?』など気を配り、言葉を使いましょう」と助言した。家庭訪問では、まず戸を開けてもらうことが重要だからだ。

 児童虐待防止法のガイドラインは、虐待の通報から原則48時間内に安全確認をするよう定めるが、児相が対応した虐待件数は17年度で約13万件と、00年度の約7・5倍に増えている。

 大分県の試みは、すぐには保護の必要がない面前DVなど比較的軽いケースについて、まず市町村が対応することで児相の負担を減らし、より深刻なケースの対応に専念する狙いがある。市町村で対応し、子どもの保護が必要な深刻なケースは児相に送る。

 大分県別府市で11年、4歳の男児が母親の暴力で亡くなった。市は家庭訪問をしていたが、虐待の危険性を予見できず、児相とも情報を共有していなかった。

 事件を受け、県は児相と市町村の連携のあり方を徹底的に見直した。当初、市町村側は「責任が重く、ノウハウもないので不安だ」と消極的だったが、児相のベテラン職員による研修や児相と市町村の人事交流を重ねた。児相職員が市町村の会議に出て助言する試みも続けている。県は児相職員を増やし、ベテランの児童福祉司が余裕をもって市町村職員の助言や指導にあたれるようにもした。こうした改革後、心中を除く身体的暴力とネグレクトによる虐待死は起こっていないという。

 「児相と市町村の役割分担が重…

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