[PR]

 中国のシリコンバレーと呼ばれる広東省深圳で、仕事への情熱を失った出稼ぎ労働の若者が社会問題化している。希望を抱いて農村から出てきたが、肉体労働に耐えられず、ネット賭博にのめり込み、貧困から抜け出せない悪循環に陥っている。(深圳=益満雄一郎)

 IT企業のビルが林立する深圳中心部から北へ約20キロの「三和人材市場」。スマホなどの工場で働く人を募集する巨大な職業紹介所だ。農村出身の若者や仲介業者で混雑している。

 路地裏に古いビルが立ち並び、100軒以上のネットカフェや簡易宿泊所、食堂がある。未明に訪れると、生ごみの悪臭が漂う道端で若者が野宿していた。空調のないネットカフェでは、ぐったりと仮眠をとる姿がいくつもある。

 「この数年で路上やネットカフェで死んだ人を5人ほど目撃した」。簡易宿泊所の女性経営者はこう話した。多くは栄養失調とみられる。簡易宿泊所は1泊数十元(1元=約16円)だが、お金がない若者は1時間1・5元のネットカフェで過ごすか、路上で寝る。

 スマホを操作していた男性(24)は昨年末から日雇いで働く。野宿のため腕に蚊に刺された跡が無数に残る。「1、2年まじめに働いて数万元稼いだら田舎に戻って商売するつもりだったが、人生が狂ってしまった」

 原因はネット賭博だ。違法だが、単調な日常生活に刺激を求め、スマホで手を出す若者が少なくない。元手のお金もスマホで高利貸から借りられる。男性は負けが込んで借金が1万元を超えたが、今の環境から抜け出したいとも思わないという。「毎日同じ仕事を続けるのは退屈すぎて、俺にはできない」。所持金がなくなると日雇いに出る。

 ネット上で彼らは「三和大神」と呼ばれる。自由をうらやむ一方、まっとうに生きられない彼らを差別する意味も込められている。日雇いの日給は100元が相場。多くは数日に1日の割合でしか働かず、月収は1千元前後とみられる。

 「友達は一人もいない」。広西チワン族自治区出身の李さん(30)は友人から借りた金を返せず、関係が疎遠になった。高校卒業後12年間、深圳で日雇いや期間工を繰り返したが、工場では私語が禁止され、一緒に働く人の名前もわからなかった。

 給料をめぐるトラブルに巻き込…

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

980円で月300本まで有料記事を読めるお得なシンプルコースのお申し込みはこちら