記事の要約

・サラダ油でランプがつくれる 停電時の光源に

・1人が1日に必要な水分は3リットル

・水道水は密閉容器に入れ、直射日光を避ければ3日程度は安全

懐中電灯でランタンを作るには

 警視庁災害対策課がツイッターで、懐中電灯を活用して、ランタンのように使う方法を紹介している。

 懐中電灯の上に水の入ったペットボトルを載せるだけで完成。懐中電灯が小さい場合は、コップに入れて、その上にペットボトルを載せればいいという。

停電対策に「サラダ油ランプ」 3分で製作、火は長持ち

 災害時など突然の停電で、懐中電灯の電池が切れていたら? いざという時に備え、サラダ油を使ったランプの作り方を動画で紹介します。慣れれば2~3分でつくれます。

【動画】サラダ油でランプを作る方法=毛利光輝撮影

 作り方を教えてくれたのは公益財団法人「市民防災研究所」の伊藤英司さん。

 材料は、灯心に使うティッシュペーパー、灯心を固定するアルミホイル、透明なガラスのコップやジャムなどの空き瓶です。サラダ油は未使用の方が、灯心に火をつけている間、匂いが少なくなるので良いです。

 伊藤さんは「5グラムの油で、3時間ほど燃え、長持ちします。万が一、容器が倒れても、サラダ油は発火点が高く、常温で火がつくことはないので、安全に使えます」と話します。灯油やガソリンは危険なので、絶対に使わないでください。

 灯心は、2枚重ねのティッシュペーパーを1枚はがし、5等分に切ります。切り分けた一つを、手のひらで何度も転がして固くなるまで丸めます。先端をはさみで斜めに切ると、断面積が大きくなり、火がつきやすくなります。

 アルミホイルも一般的な家庭用サイズなら横幅はそのままで、3センチ分切ります。折り込んだアルミホイルにつまようじで穴をあけ、灯心を差し込み、先端を3~5ミリ出します。アルミホイルを容器にくっつけ、灯心の先端に油をかけながら注ぎます。

 最後に火を付ければ完成です。火は息を吹きかければ消えます。ランプから離れるときなど、火の取り扱いには気をつけて下さい。また、耐熱性のあるガラスを選んでください。(毛利光輝)

(2017年11月24日配信の記事から。肩書は配信当時)

水が止まったら

 普段は当たり前のように使っている水道が止まったら、どうするか。

写真・図版

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1日あたり1人3リットル

 人間の体が必要とする水分の量は1日どれぐらいか知っているだろうか。答えは、約3リットル。

 日本災害食学会顧問の奥田和子さんは「多いと思うかもしれないが、体内の水分の『収支』で説明できる」と話す。水分は尿や汗などで体外に出ていく一方、飲み物や食べ物から体内に取り込んでいる。その量が1日約3リットル。水分の補給ができなくなれば、脱水症状になる。

 奥田さんも被災した阪神大震災では、兵庫県内の水道が完全復旧するまでに約3カ月かかった。「食事から水分が取りにくくなる災害時は飲み物が必須。命をつなぐには家庭での備蓄が大切」と話す。3リットルの水分は水だけでなく、お茶やジュースなどで補ってもいい。

 国も1日あたり1人3リットル、「3日分の備えを」と呼びかけるが、広域被害が予想される巨大地震では1週間分以上の備蓄が必要と言われている。

 だが、実際の一般家庭の備えは心もとない。大手飲料メーカー「キリンビバレッジ」が2014年に行ったアンケートでは、ミネラルウォーターの備蓄がゼロと回答した家庭が約半数。最も多かった理由が「賞味期限の管理が難しい」(31・5%)だ。賞味期限はメーカーや容器の大きさによって異なる。防災士の和田隆昌さんは「東日本や阪神大震災の発生日、防災の日など、年2回は飲料の賞味期限を確かめよう」と話す。

 ミネラルウォーターの買い置きだけでなく、水道水をこまめにくみ置く方法もある。容器に目いっぱい入れて密閉し、直射日光を避ければ、一般的に3日程度は安全に飲める。ただし、浄水器を通した水は塩素の消毒効果がなくなるので、毎日入れ替えが必要だ。また、給水所を利用する場合に備え、ポリタンクやキャリーカートなどの運搬道具を用意しておきたい。

 洗顔や洗濯、トイレなどに使う「生活用水」はどうか。

 風呂の残り湯やくみ置きの水道水があれば役に立つ。河川の水などを使う場合、注意が必要だ。周辺の工場が被災したり、下水道管が破損したりすると、汚染の恐れがある。災害時は免疫力が下がりやすい。和田さんは「汚染された水や保存状態の良くない水で、食器や体を洗うのは危険」と指摘する。

 大切なのは「使わぬ工夫」だ。ラップやアルミホイルで皿を包んで料理を盛れば、洗い物をせずに済む。ウェットティッシュは体の衛生を保つのに役立つ。非常時の美容情報も発信する資生堂によると、胸の中央、背中の上部、わきの下、陰部などには臭いを発する皮脂腺が多い。これらの部位や、汚れ・汗のたまりやすい耳の後ろをしっかり拭き取るといいという。

備蓄スペースどうする?

 命を守るためとはいっても、スペースに悩む飲料の備蓄。4人家族で3日分なら36リットルで、2リットルのペットボトル18本分だ。

 テーブルの下などのデッドスペースをうまく利用したり、飲料の入った段ボールごとお気に入りの包装紙や布で包み、台や椅子として使ったりするアイデアもある。

 集合住宅の場合、事前に入居者で話し合い、共用部に長期保存できる飲料を備蓄するのも手だ。特に高層マンションではエレベーターが停止すると、給水所からの水の運搬が困難になる。高層階と低層階の共用部2カ所に分けて備蓄しておきたい。

(2016年2月21日朝刊の記事を再構成。肩書は掲載当時)

停電時に活躍、家庭用太陽光

 再生可能エネルギーへの関心の高まりや固定価格買い取り制度から、すっかり身近になった家庭用の太陽光発電設備。しかし、災害などの停電時に電源として活用できることはあまり知られていない。最大47万6600戸が停電した熊本地震(2016年4月)の被災地でも、自宅に設置した太陽光発電が活躍した。

 震度7に2度見舞われ、甚大な被害を受けた益城町。3年前に家を新築した男性会社員の住む地域は、4月14日夜の「前震」後に停電し、断続的に18日夜まで続いた。助けになったのが、屋根に載せた出力4キロワットの太陽光発電だ。

 通常、太陽光パネルで発電された電気はすべて、パワーコンディショナー(パワコン)という機器を通して送電線へ流れ、電力会社に売られる。家庭で使う電気は逆に、すべて送電線から買う仕組みだ。停電すればパワコンは自動的に送電をやめる。

 ただ、パワコンについているスイッチを通常の「連系運転」から「自立運転」に切り替えれば、送電線を介さずに発電した電気を直接使える。パワコンの機種の9割にはコンセントがあり、1500ワットまで電化製品が使えるようになっている。

 男性は停電中、玄関近くにあるパワコンに芝刈り用の延長コードを差し込み、太陽の出ている昼間は家の前の駐車場にテレビを置いて情報を収集。電子レンジでレトルトカレーを温めたり、ポットでお湯を沸かしたり。避難所で食べきれなかった食べ物を冷蔵庫で冷やすこともできた。

 男性は以前の台風被害の時に長期停電で苦労した経験がある。「太陽光は売電用に買ったが、あのときを思えば、だいぶ役に立った」

 太陽光発電設備のある住宅は総務省の統計で2013年に全国で157万戸。5年で3倍に増えた。しかし自立運転に切り替えれば停電時に使えることを知らない人は少なくない。

 NPO「太陽光発電所ネットワーク」が地震後の4月末に、益城町などの被災地で太陽光発電設備を持つ約20世帯から聞き取ったところ、停電時に自立運転を使っていたのは3世帯程度。自立運転を知らない世帯が半数以上だった。都筑建・代表理事は「販売店にも知識がなく、きちんと説明していないことが原因だ」と話す。

 自立運転を活用するには、送電線からの電気が復旧した場合の火災や事故を防ぐため、主電源ブレーカーと太陽光発電ブレーカーをまず切ることが鉄則。都筑さんは「いざというときのために、自立運転を平時に試しておくことが必要だ」と話す。

(2016年5月17日夕刊の記事を再構成。肩書は当時)

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