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 厚生労働省は29日、2019年度予算案の概算要求を公表した。一般会計の総額は31兆8956億円で過去最大。18年度当初予算から2・5%、7694億円増えた。医療や介護、年金などの社会保障費は29兆8241億円に上り、そのうち高齢化の進行に伴って増えた額は6179億円だった。

 長時間労働規制などに取り組む「働き方改革」について、18年度予算比で600億円増の計3800億円を計上。17年度に過労死や過労自殺で労災認定されたのは190人。過労死防止の相談体制づくりが急務となっており、270億円を要求した。

 また、外国人労働者の受け入れを進める政府の方針に基づき、新たに設ける在留資格で来日する人の雇用管理のため、10億円を要求した。すでに受け入れている外国人の介護人材については、学習支援や生活相談などに、18年度予算の約5倍の19億円を求める。

 また、児童虐待防止策や里親制度などを進める費用として計1655億円を計上。児童相談所の職員を増やしたり、虐待の通報や相談を24時間受け付ける全国共通ダイヤル189を無料にしたりすることを検討する。相次ぐ自然災害を受け、災害拠点病院や災害派遣医療チーム(DMAT)の強化にも18年度予算の13倍の55億円を要求した。

 膨らむ医療費や介護費の抑制策として健康寿命を延ばす方針を掲げ、糖尿病など生活習慣病の重症化予防などに計63億円を要求。医療や介護データを分析、活用する「データヘルス改革」にも443億円を盛り込んだ。

 概算要求を査定する立場の財務省は財政再建のため、高齢化に伴う増加分を5千億円以下に抑えたい考えで、年末にかけて社会保障費の抑制策が議論される見通しだ。(西村圭史)