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 物流の大動脈・JR山陽線が西日本豪雨で寸断されたため、JR貨物とJR西日本が山陰線を使った貨物列車の「迂回(うかい)輸送」を始めた。29日午前、電気機関車に「がんばろう岡山 がんばろう広島」のヘッドマークを付けた第1便が米子駅(鳥取県米子市)に到着した。山陽線が10月中に全線復旧するまで、名古屋―福岡を1日1往復する。

 第1便は28日夜、名古屋を出発。6両編成で5トンコンテナ計30個に雑貨や米を積み、岡山・倉敷駅から伯備線、鳥取・伯耆大山(ほうきだいせん)駅から山陰線に入って午前7時半すぎに米子駅に着いた。

 山陰線は電化されていない区間が多いため、同駅で電気機関車をディーゼル機関車に入れ替え、午前8時45分に出発。沿線やホームでは鉄道愛好者らがカメラを構えるなどしていた。

 JR貨物運輸部の原威史(たけし)副部長は「山陰線はふだん貨物が走らないため、運転士の訓練などを重ねての開始になった。使命が果たせるよう気を引き締めていきたい」と述べた。

 列車は島根・益田駅から山口線を経由し、福岡へ向かう。名古屋―福岡の所要時間は寸断前の約2倍の約27時間。福岡発は31日から運行を始める。山陰線への迂回は阪神・淡路大震災があった1995年以来。

 JR貨物によると、山陽線の寸断後の輸送量は、トラックと船の代行輸送で通常の18・9%。山陰線の迂回輸送を加えても20%程度で、大幅な改善は難しいとみている。(杉山匡史)