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 事務機器メーカーの富士ゼロックスの玉井光一社長(65)が朝日新聞のインタビューに応じ、米ゼロックスとの協業を引き続き重視する考えを示した。

 親会社の富士フイルムホールディングス(HD)が米ゼロックスの買収を計画したが、反発を招いて暗礁に乗り上げたまま。両社の間に立ち、関係を正常化させたい意向だ。

 販売面では、米ゼロックスが欧米市場を、富士ゼロックスは日本を含むアジア市場を担当している。主力製品である複合機の開発と生産は、主に富士ゼロックスが手がけ、米ゼロックスにも供給している。

 こうした協業について、米ゼロックスは6月に解消する方針を表明。だが玉井氏は「別の提携先に切り替えて新製品を開発するのは負荷になり、時間もお金もかかる」と指摘。「うちがパートナーとして最適だと説明したい」と述べた。

 また玉井氏は、米側の態度に軟化の兆しが出ているとの見方も示した。米側が入札による身売りはしないと表明したことは、その一例だという。「そう遠くないうちに(米側に)変化が出ると思う」と、説得による翻意に自信を示した。

 複合機は市場の急拡大が見込めない「成熟産業」と指摘。富士フイルムが買収計画に盛り込んだ「日米ゼロックスの統合による経営の効率化」が「最適な選択肢だ」と強調した。ただ、「障壁があって時間がかかるかもしれない」とも述べ、米側との関係の修復にまずは力を注ぐ考えだ。

 仮に統合できなくても、複合機での伝票データの読み込みなどのサービス面を強化すれば、他社からシェアを奪えると主張。今の協業を維持したままでも「成長できる」と話した。

 富士ゼロックスには富士フイルムHDが75%、米ゼロックスが25%を出資している。玉井氏は富士フイルムHDの取締役でもある。昨年から富士ゼロックス副社長に就き、今年6月に社長に昇格した。(内藤尚志)