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 岐阜市の「Y&M 藤掛第一病院」の入院患者が相次いで熱中症の疑いで死亡した問題で、5人目の死亡が問題発覚後だったにもかかわらず、病院は岐阜県警に通報していなかった。ほかの入院患者の家族からは、病院の管理体制に不安の声も出ている。

 県警によると、5人目の死亡を把握したのは28日午後8時40分ごろ。亡くなった男性(84)の成年後見人が岐阜中署を訪れたことで発覚したという。同時刻、県警は病院へ家宅捜索に入っていた。

 病院は、すでに明らかになっている4人の死亡についても県警などに通報していなかった。4人について県警が把握したのは、27日夜に県警本部に入った関係者からの電話だった。

 病院では29日午前も、入院患者を心配して訪れる家族の姿があった。

 母親(76)が入院中という岐阜県大垣市の男性(44)によると、病院からはエアコン故障についての連絡はなかったという。母親はエアコンが故障している3階に入っていたが、問題が発覚した28日に病院に電話したところ、「クーラーの利いた2階に移した」とだけ説明されたという。

 「今まで面倒を見てくれてよかったと思っているが、連絡がなかったのが残念。転院の手続きをしたい」と不安そうな表情を浮かべた。

 病院には、29日午前、冷風除湿機が入ったとみられる段ボール6箱ほどが運び込まれた。病院はエアコン故障後、扇風機9台を使っていると説明。立ち入り検査に入った市などによると、4、5人部屋に1台の割合で扇風機が置かれていたという。エアコンが故障した3階に妹が入院していたという男性によると、妹を含め2人が入院していた部屋には、扇風機1台が置かれていたという。

Y&M 藤掛第一病院の患者死亡をめぐる経緯

20日       病院3、4階のエアコンが故障。扇風機を設置

26日午後8時40分 女性(84)が死亡

27日午前3時5分 女性(85)が死亡

27日午前10時35分 男性(83)が死亡

27日午前11時37分 男性(84)が死亡

27日午後8時30分 関係者から岐阜県警に通報

28日昼      県警が4人の死亡を発表

28日午後     岐阜市が立ち入り検査

28日午後6時38分 男性(84)が死亡

28日午後7時55分 県警が殺人容疑で病院を家宅捜索

29日未明     県警が5人目の死亡を発表