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 野球の第12回U18(18歳以下)アジア選手権(9月3日開幕)に出場する高校日本代表チームは29日、明大と練習試合(7イニング制)をし、4―4で引き分けた。前日の大学日本代表との壮行試合も含め、これが3試合目の実戦。早くも、今年の代表チームの色が見え始めた。

 高校代表のベンチからは、よく聞こえてくる声がある。「カバーしよう、カバー」。特に、主将の中川卓也(大阪桐蔭)のそれは、よく響く。「自分のチームでも散々言っていた言葉なので」。これが生きたのが、3点を追う四回だった。

 先頭からの連打でできた無死一、二塁の好機。中川が送りバントを決められず、空振り三振に倒れた。「自分としては最悪な状況」と振り返る主将を救ったのが、野尻幸輝(木更津総合)のバットだった。

 1点を返して2死三塁。野尻は「次の打者がカバーすればチームとして『よしっ』と前を向ける」と考え、左打席へ向かった。「昨日までは欲が出てスイングが大きかった」と反省していたが、仲間のことを思うと本来の打撃を取り戻した。「つなぐ意識で、逆方向へ」。狙った速球を左越えへ。1点差に詰め寄る二塁打になった。

 振り返る野尻の言葉が、いい。「あそこで中川がバントして自分が打つよりも、大切なものを得られたと思う」。助けてもらった中川は少しばつが悪そうだったが、「みんながカバーしてくれて、ありがたかった。打たれたら野手がカバー、エラーしたら投手がカバー。全員がカバーすることで野球は成り立つと思う。次に何かあったときは自分がなんとかしようと思う」と前を向いた。

 集合した25日から、わずか5日間。中川の言葉が根付き、チームの結束力は高まってきた。(小俣勇貴

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