【動画】パナソニック、独家電見本市で近未来のキッチンを展示=寺西和男撮影
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 31日からベルリンで開かれる欧州最大の家電見本市「IFA」が29、30の両日、報道陣に公開された。主要メーカーが開発に力を入れるのは「考える家電」だ。パナソニックは、人の動きを感知して家電が調理を支援する近未来のキッチンシステムを提案。人工知能(AI)やあらゆるモノがネットにつながるIoTの技術を使い、生活を支える家電が広がりそうだ。

 パナソニックのブースで展示された近未来のキッチン。調理する人が立つと、メニューや調理方法が、ネットにつながった上部のプロジェクターから調理台に映し出された。

 ローストビーフの調理を始めると、センサーなどで人の動きや調理状況を把握し、家電が調理をサポートする。オーブンのドアが自動で開いたり、肉を切り終わったら包丁やまな板を洗う洗浄機が調理台の下から現れたりする。クッキングヒーターとオーブンは連動してソースのできあがり時間にあわせて肉が焼き上がるという。「家電に指示せずともストレスなく調理できる」と担当者。技術的に3~5年先には可能といい、需要などをみて商品化を判断する。

 独ロバート・ボッシュ・ハウスゲレーテは、パナソニックで展示されたようなプロジェクターを来春、中国で発売する。携帯端末向け基本ソフト(OS)「アンドロイド」が内蔵されたプロジェクターはネットにつながり、調理台に映し出された画面のアプリを手で操作すると、動画で調理方法を見ることができるほか、ネット通販に食材を注文したり、ネットでつながったオーブンの温度なども調節できたりする。

 独シーメンス・ハウスゲレーテのブースでは、つながる家電を使った調理支援サービスを展示した。

 「夕飯にパエリアを作りたいけど、冷蔵庫に野菜は残っていたかな」。こんな場合に出先からスマホのアプリでパエリアのレシピを選べば、カメラが内蔵された自宅の冷蔵庫の中身をチェックし、足りない食材を確認してくれる。さらに、連動した車のナビゲーションシステムで、自宅に帰るまでの間にその食材を買える店を見つけてルートを表示してくれる。他のドイツ企業と連携して来年末からドイツで試行した後、本格的に展開していくという。

 シーメンスは、携帯のアプリで、濃さなど好みに応じてコーヒーがつくれるコーヒーメーカーも発表。近い将来、人の睡眠時間をはかる携帯端末の機能などと連動させて睡眠時間が短い時には濃いめのコーヒーをつくるといったこともできるようになるという。

 各社が「考える家電」に力を入れるのは、AIなどの技術の進展とともに、多様化する個人の生活スタイルにあわせて支援する家電への需要が増えるとみるためだ。シーメンスの幹部は「あらゆる世界で個人化が広がっている。(生活の困りごとへの)解決策を提供していきたい」と話す。(ベルリン=寺西和男)