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 日本に住む外国人と日本人の交流を促そうと、草の根のフットサル大会を毎年開く「トヨタマン」がいる。トヨタ自動車生産管理部に所属する名古屋市昭和区の政田盛拓(まさだもりひろ)さん(40)。大会の参加者数は右肩上がりで、5年目を迎えた今年、初めて他県で予選を開くほどになった。16日に予定される決勝大会に向け、「楽しみにしているチームの期待に応えられるよう最高の舞台を用意したい」と意気込んでいる。

一念発起 地道に呼びかけ

 きっかけは東京から愛知に赴任した2014年。電車の中で中国や韓国、ブラジル人らの姿を見かけ、国内にいる外国人の多さに改めて気づかされた。「日本を知らないまま帰国する外国人も多いのではないか」。折しも当時、サッカーのワールドカップ(W杯)がブラジルで開かれていた。テレビ観戦していると、07年から2年間南米ベネズエラに駐在していた当時を思い出した。サッカーを通じ、外国人コミュニティーとの交流を深めた。スポーツでの国際交流がそこにはあった。

 一念発起した。平日はエンジンの生産計画に関わり工場を回るかたわら、土日に大会の準備をひとりで進めた。競技もサッカーより少人数で参加しやすいフットサルに決めた。まずは仲間を集めようと名古屋市内の大学を回った。国際交流に興味を持つ学生らにボランティアスタッフになってもらおうと呼びかけ、夜は外国人が集まりそうなバーに出向き、声をかけて参加選手を募った。

 最初の大会でブラジル、パラグアイ、日本、韓国、中国の5カ国8チームが参加した。「準備は相当大変だった。でも、また来年もやってくださいと言われるのがうれしくて」と政田さん。翌年は趣旨に賛同する企業のスポンサーも付き、名古屋市港区の武田テバオーシャンアリーナを会場にして開催にこぎつけた。インドネシアの外国人研修生から帰国前、「日本での一番の思い出ができた」という言葉をもらい、印象に残っているという。

SNSで拡散、SKBも応援に

 フェイスブックなどSNSで大会の情報が拡散し、毎年参加チームが増えている。昨年からは、20年開催予定のFIFAフットサルW杯の招致をめざす愛知県が後援についた。アイドルグループSKE48のメンバーも会場に駆けつけて盛り上げた。さらに今年は86チームがエントリーし、東海に加え西日本と東日本地区でそれぞれ予選を開催。決勝大会には15カ国30チームが臨む。

 23年前に来日し、名古屋市中区で旅行会社を経営する中国人の鮑尓吉徳(ボルジド)さん(41)は第1回大会から毎年かかさず参加している。「日本人は日本人、外国人は外国人と付き合いがち。私もイギリスやガーナ、ブラジルといった国の人たちと初めて交流できた」

 規模が大きくなったからこそ初心を忘れたくない。今年の大会名称に「Unity(ユニティ)」(団結、結束などの意)という言葉を入れた。政田さんは「派手な大会よりも、参加者がつながりあう場をもっと意識し、スタッフ一同をとりまとめたい」。当日は自らインタビュアーとして選手の声を集め、後日動画にまとめる予定だ。(佐藤英彬)