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 ツイッターで訴訟の当事者の感情を傷つけたとして、東京高裁の岡口基一裁判官(52)を懲戒とすべきかを判断する「分限裁判」の審問手続きが11日、最高裁で行われる。林道晴・高裁長官は「懲戒相当だ」として処分を申し立てたが、岡口氏は「表現の自由への侵害だ」として争う姿勢を示している。SNS全盛の時代に、裁判官のツイッター発信について最高裁がどのような判断を出すのか、注目される。

 現職の裁判官で、実名を出してツイッターで発信している人は極めて珍しい。岡口氏は判例や司法関連のニュースを積極的に投稿し、注目されてきた。一方、高裁はこれまでも投稿内容を問題とし、2016年6月には縄で縛られた上半身裸の男性の写真などを投稿したことについて、今年3月には東京都内の女性が殺害された事件を巡る投稿について、それぞれ厳重注意をしている。分限裁判は裁判官を懲戒するための正式な手続きで、注意からさらに進んだ形だ。

 今回、問題とされたのは今年5月のツイート。岡口氏は拾われた犬の所有権が、元の飼い主と拾った人のどちらにあるかが争われた裁判を取り上げたネット上の記事のリンクとあわせて「公園に放置された犬を保護したら、元の飼い主が名乗り出て『返して下さい』 え?あなた?この犬を捨てたんでしょ?3か月も放置しながら…… 裁判の結果は……」と投稿した。

 岡口氏のツイッターは現在凍結されているが、分限裁判に関連してブログを開設している。ここで公表している書面や朝日新聞の取材に答えた内容によると、5月24日に林長官に呼ばれ、犬の元の飼い主から抗議があったと伝えられた。

 この際、林長官は判決文も読まずにツイートをしたことを注意し、「2回の厳重注意があり、前回の厳重注意から2カ月しか経っていないのに全く同じようなことをしている」「裁判所全体としても重く受け止めざるを得ず、分限裁判も含めて検討する」「普通の裁判官であれば、これだけのことをして、裁判所全体や当事者に迷惑を掛けたら、ツイートを止めるのではないか」などと述べたという。高裁は朝日新聞の取材に対し、こうしたやりとりが実際にあったかは「最高裁の判断に関わることなので、回答は差し控えたい」としている。

 岡口氏は問題とされたツイートについて「判決には法律的な論点がある」と説明するが、「当事者が怒っているのなら悪かったと思い、申し訳なかったと、林長官に答えた」と話す。ただ、ツイッターをやめるように求められたのは「表現の自由の侵害だ」と訴え、「分限裁判の申し立ては、ツイッターを止めるための手段」として争う方針だ。

 今回の分限裁判は最高裁大法廷で審理され、岡口氏の行為が懲戒処分に相当するのか、相当する場合は戒告か1万円以下の過料の処分を決める。岡口氏を支援するため、司法修習の同期の弁護士らが弁護団を結成しており、審問手続きにも一緒に出席予定という。

■ツイートをめぐり分かれ…

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