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藤村忠寿(HTB「水曜どうでしょう」チーフディレクター)

 7月初旬から3週間ほど「どうでしょうキャラバン」で全国を巡り、8月1日から1週間ほど「水曜どうでしょう」の新作のロケに出かけ、その後はHTB開局50周年ドラマ「チャンネルはそのまま!」の撮影準備に突入して、気がつけばもう9月。今年の夏もあっという間に終わっちゃいました。でも別に恨めしい気持ちはないんです。そもそも僕は夏休みにあまりいい思い出がない。中学から大学まで10年間、ずっとラグビー部に所属していて、夏休みといえば夏合宿の苦しい思い出ばかりがよみがえるんです。せっかくの休みなのに普段よりもキツイ練習をやらされて、ほんとイヤだったなぁー。

 名古屋の高校のラグビー部時代は、隣の三重県に遠征して強豪校との夏合宿。海のそばだったから早朝に砂浜を走らされるんですけど、これがもうキツくて。確かに足腰は鍛えられたかもしれませんけど、すっかり海が嫌いになりましたよ。「おーい!早く来いよォー!」「待ってェー!」なんつってキャッキャ言いながら浜辺を走るカップルとか見たら言いたくなりますもん。「おまえらそのまま5キロ走ってみろよ」と。「声なんか出なくなるぞ」と。午後は強豪校との練習試合。毎度ボロボロにやられて。そんな苦しい合宿でしたから、三重に向かう電車の中なんて全員が無口でどんよりしてました。でもね、合宿を終えて名古屋に帰る電車の中は、地獄から生還した喜びで満ちあふれたようにみんなはしゃいでましたね。苦しいことがあったからこそ心から笑えたんでしょう。ラグビーがそんなに好きだったわけじゃないけど10年も続けたのは、きっとそんな経験があったからだと思います。

 「水曜どうでしょう」もロケは…

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