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(26日、プロ野球 広島10―0ヤクルト)

 3連覇が決まった瞬間、チームメートだけでなく裏方とも抱き合った。人がいいと大成しない、と言われるほど激しい競争にさらされる球界で、その優しい性格を誰もが認める。昨季、阪神の藤浪晋太郎から左肩に死球を受けた時は「大丈夫」とほほえみかけながら一塁へ向かい、緒方監督から注意された。その姿は今年亡くなった広島OBの「鉄人」衣笠祥雄さんと重なる。

 「性格がじゃまになるとは思わない。技術を磨いて成功できるように頑張ればいい」。ドラフト1位で広島に入団して5年目。今季はすでにリーグトップの15勝で3連覇に大きく貢献し、初の最多勝も射程内だ。

 今季はカープの先輩で元大リーガー黒田博樹さんの助言で球により力が伝わるようフォームを改造した。入浴法、体重管理や栄養バランスにも気を使う。素直で勉強熱心なことが飛躍につながった。

 練習用グラブには地元・長崎県大村市のゆるキャラ「おむらんちゃん」の刺繡(ししゅう)を入れる。長崎日大高のエースとして2009年夏の甲子園では岩手・花巻東高の菊池雄星(現西武)と投げ合った。

 そんな右腕に力をくれているのが、2歳下の弟元気さん。ダウン症の元気さんは子どもの頃に手術や入院を繰り返した。頑張る姿に、つらいことを乗り越える勇気をもらってきた。「元気が野球が好きなので、いいところを見せたい」が原動力だ。(藤田絢子)