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忠鉢信一記者の目

 体操女子の宮川紗江選手を指導していた速見佑斗コーチが、指導中の暴力を理由に日本協会から登録抹消処分を受けました。宮川選手は当初、「自分は被害を訴えていない」との対応でしたが、8月29日の記者会見で「速見コーチが私に対して暴力をしてしまったことは決して許されることではなかったのだと今は理解しています」と述べています。

 しかし、暴力の被害者が加害者の行為を受け入れてかばう現象は、スポーツの現場ではしばしば見られます。どうしてそうなるのでしょうか。

 成功体験の影響を指摘するのは、スポーツの暴力問題に詳しい辻口信良弁護士です。

 辻口弁護士は大学でスポーツ法学を教えるとき、体罰に関する考えを学生に書かせています。競技である程度の成功を収め、大学にスポーツ推薦で入学するような学生は、指導者の暴力や暴言を容認する傾向があるそうです。「先生が泣きながら殴ってくれたおかげで勝てたと書いてきた学生がいた。自分自身で自主的にしたことでなく、人から暴力で強制されてしたことでも、結果さえ良ければそれでいいという考えが土台にある。暴力を容認することがゆがんでいるということに気づかない。スポーツのゆがみというより、教育のゆがみ」と話しています。

 また、社会規範の時代性をポイントに挙げるのは、運動行動制御論が専門の荒木秀夫・徳島大名誉教授です。「社会規範を子どもに示す身近な存在が親。その親が子どもだった20年以上前の社会規範は、時代の変化によって今ではそのまま通用しない。暴力が許されない時代になったということを親がきちんと理解しているかどうか。若い選手の暴力に対する態度は、そこが大きな分かれ目」

 私は、親が子どもへの暴力を奨…

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