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 台風21号の強風によって、大阪市住之江区の湾岸部にある大阪府咲洲庁舎近くの駐車場では多数の乗用車が吹き飛ばされ、5日朝から車の所有者らが集まった。

 「これはひどい」「かわいそう」。通勤する人たちは横転した車に目をやりながら、職場へと足早に向かった。駐車場のフェンスや鉄柱もなぎ倒され、原形をとどめていなかった。

 住之江区の会社員、竹村晃さん(61)の乗用車は樹木を倒し、窓ガラスの大半が割れていた。「結婚当初に買った車。15年経ったが、まだまだ乗れると思っていた」と話した。片付けを手伝った妻の葉子さん(46)は「色々な思い出があったのに、こんな形でお別れするとは」と話す一方で、「まさか大阪市内で災害の被害を受けるとは思わなかった。(各地の)被災者の方々の気持ちがわかった気がする。パニックです」と語った。

 泉大津市の会社員、向井公平さん(53)は通勤用の車がひっくり返った。職場から駐車場を見下ろすことができる。「車がないよ!」。前日、同僚から声をかけられて気付いた。「10メートルは飛ばされたのではないか。最初に車を見たときは、何も考えられなくなった」と向井さん。レッカー移動の手配はしたものの、作業開始のめどは立っていないという。(辻健治)