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 教育文化施設「市子どもの夢を育む施設こむこむ館」(福島市)からの撤去が決まった子どもの像「サン・チャイルド」について、制作者の現代美術作家ヤノベケンジさん(52)が5日、福島大学で記者会見し、「作品を巡って市民の中に対立や分断が広がることを考えると、一度展示を取りやめることで冷静な議論や前向きに考えることになればと(撤去を)受け入れた」と経緯を語った。

 ヤノベさんは、2004年から隔年開催されている「福島ビエンナーレ」に12年から毎回出品。今秋のビエンナーレでは二本松、南相馬両市の主会場とJR福島駅を結ぶシャトルバスが運行され、参加者は最後にサン・チャイルドを鑑賞する予定だった。代わりに開催中にヤノベさんと市民らと対話する機会を設ける予定で、実行委員長の渡辺晃一・福島大教授(現代美術)らが今回の開催説明の会見に招いた。

 ヤノベさんは「(作品を説明するなどの)プロセスを踏めていなかったのが反省すべき点」と話し、常設前の期間限定での展示や意見を募集する機会を設けるべきだったとした。

 早期の撤去を決めたことへの批判については「置き続けることが冷静な判断をできなくする。このことで創作活動をやめるつもりはなく、今後の創作に生かしたい」と話した。(古源盛一)