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 「いつもの自分」に戻って、外見の変化への不安を和らげてほしい――。抗がん剤の副作用でまつげが抜けた人たちのための「人工まつげ」を、富山市の女性が開発した。がんで亡くなった友人の言葉を胸に試行錯誤を重ね、完成させた。

 開発したのは、富山市でまつげエクステンションなどをする「TYRANN(ティラン)」の経営者の辻下裕子さん(39)。独自に作った長さ1センチほどの人工皮膚に30~40本の人工毛を付けている。このまつげを複数、まぶたに接着させて使う。一般のつけまつげより軽く、肌への負担の軽い接着剤を使っている。ただ、念のため使用前には肌に合うかテストする。つけまつげは1日使用した後に外すことが多いが、このまつげは手入れをしながら2週間~1カ月ほど使い続けられるという。英語で復元を意味する「restoration」からとった「レス」とまつげの「ま」を組み合わせ、商品名は「レスま」とした。

 辻下さんは美容師などを経て、2009年に今の会社を開業。その半年後、20代の友達の女性をがんで亡くした。女性は抗がん剤の治療を拒んでいた。理由の一つとして辻下さんに打ち明けたのは「まつげがなくなるから」。辻下さんは「まつげのプロとして『抜けても大丈夫だよ』と言ってあげたかったのに、言えなかった」。友達の言葉をきっかけに、人工まつげの開発に取り組んだ。

 がん患者に聞くと、まつげが抜けた後の人相の変化にショックを受ける人がいた。ただ、従来のつけまつげは、毛の部分を自分のまつげと支え合うようにして使うため、まつげがないと重みでとれやすい。また、抗がん剤治療で肌が敏感になっているため、接着剤でかぶれやすかった。

 こうした問題を踏まえて「レスま」を完成させ、今春からテスト販売を開始。抗がん剤治療を終えた後もまつげが生えそろわないという富山市の女性(39)は「まつげがないことが気になって気持ちが沈んでいたが、前向きになれた」。千葉県の40代の女性は「こういうのを探していた」と泣きながら喜んでくれた。

 がん患者の外見ケアなどを支援…

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