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 オーストラリアとニュージーランド、フィジーなど太平洋の18カ国・地域でつくる太平洋諸島フォーラム(PIF)の首脳会議が5日、加盟国の一つ、ナウルで開かれ、安全保障分野の協力を強める共同宣言を採択した。この地域での中国の存在感の高まりが背景にある。

 豪政府は同日、宣言を実行に移すため、安全保障分野での情報提供や助言をする地域センターのほか、島国の治安組織の幹部らを訓練する「安全保障大学」を来年設置すると発表した。

 豪州とニュージーランドを除くPIF加盟国で、自国の軍を持つのはパプアニューギニアとフィジー、トンガだけ。3カ国の軍はいずれも規模が小さい。

 太平洋地域では、中国が大型のインフラ援助などを通じて影響力を強めている。4月には豪紙が「中国がバヌアツに海軍基地を設ける協議を始めた」と報道。両国は否定したものの、豪州やニュージーランドで懸念する声が出た。

 PIFは太平洋諸国の地域協力を進める組織で、首脳会議を毎年開いている。今回の共同宣言の意義について、豪州国立大のロリー・メドカーフ教授は「小さな島国が、中国だけに過度に依存しないことを確認する意味がある」と話す。

 今回の会議ではPIFの対話国として関連会合に出席した中国代表団が4日、発言を認められずに抗議して退席する一幕もあった。中国外務省の華春瑩・副報道局長は5日の記者会見で、台湾と外交関係を持つナウル側が中国代表団の外交旅券での入国を拒み一般旅券での入国を求めるなど「稚拙な行為があった」と強く反発し、「過ちを正すよう忠告する」と述べた。(シドニー=小暮哲夫、北京=冨名腰隆)