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 宇宙好きのサラリーマンらが集まって作った人工衛星、名付けて「リーマンサット」。15日にも、H2Bロケットで種子島宇宙センター(鹿児島県)から宇宙に出発する。酒場で語った夢の実現に向け、カウントダウンが進んでいる。

 リーマンサットは、10センチ立方、重さ約1キロの超小型衛星(キューブサット)。カメラで地球を撮影したり、一般の人からのメッセージなど約6千通を地上に送ったりする。ロケットで国際宇宙ステーション(ISS)に運んでから、来年3月までに宇宙に放出する。

 製作したのは、会社員や学生ら約350人でつくる一般社団法人「リーマンサットスペーシズ」のメンバーだ。きっかけは2014年、東京・新橋で宇宙好きの3人が居酒屋で交わした会話だった。「自分たちでできる宇宙開発ってないかな」――。

 「お金も知識もなかった」と、都内で町工場を経営する宮本卓・代表理事(40)。「自分たちの衛星を打ち上げよう」というチラシを作り、都内のDIY(日曜大工)のイベントで配った。「決起集会」に約30人が集まり、本格的に活動を始め、16年に法人格を取得した。

 メンバーは仕事帰りや有給休暇を使って専門書を読んだり、東京大の研究室に足を運んだりして勉強した。衛星の部品は秋葉原やインターネットで購入。宮本さんの工場の2階で製作を続け、2年弱かけて完成した。開発・打ち上げの費用約580万円は私費やクラウドファンディングで賄った。

 プロジェクトマネジャーを務める嶋村圭史さん(38)の本職はプログラマー。「土日に徹夜して、そのまま月曜に会社に行くこともあった。きつかったけど、大学生みたいなノリで楽しかった」と振り返る。

 「普通のサラリーマンの集まりでも、宇宙開発できるんだぞと知ってもらいたかった」と宮本さん。名前の「リーマン」には、そんな思いが込められているという。「今まで見上げることしかなかった宇宙が、手に届くところまで来ているのがうれしい。集まってくれたみんなに感謝したい」と話している。(浜田祥太郎)