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 タンカーの衝突で対岸に渡る連絡橋が壊れるなどし、利用客と従業員が孤立した関西空港。5日早朝から神戸空港行きの高速船3隻による利用客らの救助が始まった。昼ごろからはバス15台でも輸送。だが、約5千人と見積もっていた要救助者の数が「6千~7千人」(関西エアポート)に膨らんだこともあり、夜になっても多くの利用客がぐったりした表情でバスや船を待つ列に並んだ。

 第1ターミナルビルの前には、高速船乗り場と、南海電鉄の泉佐野駅に向かう二つのバスを待つ列が何重もでき、途切れなかった。船乗り場へのバスを待っていた香港人のリン・カイユンさん(50)は5日夕、「9時間待っているのにまだ乗れない。何が起こっているのか」と途方に暮れた様子だった。

 関空上空は台風一過の晴れ間が広がり、気温も30度近くまで上がった。カンボジアに出発する予定だった大阪府吹田市の大学生清水菜央さん(19)は「空腹と疲れで、怒る気力もなくなりました」。

 連絡橋は南側車線が損傷し、救助のバスは北側車線で行き来した。対岸行きと空港行きを時間差を設けて交互に走らせたことや一般道路の渋滞で時間がかかった。行列の整理に当たる職員は「渋滞などの事情をアナウンスしている」と話すが、利用者からは「全然聞こえない」といった不満の声が続出した。

 関西エアポートによる被害の把握はこの日は進まなかった。第1滑走路周辺では午後になっても、緑地帯を中心に水たまりが残っていた。広報担当者は「水がひかないと滑走路の点検にも入れない。どこまで被害があるのかまだ見通せていない」と話した。