【動画】周辺では街灯や家の明かりがともる中、停電したまま暗くなった住宅街=依知川和大撮影
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 大阪府泉南市新家では5日、電柱9本が根元から折れて道路をふさぎ、周辺が停電していた。近くの奥田耕平さん(74)によると、4日午後1時半ごろ、「バーン、ダーン、ドーン」とたたきつけるような音とともに突風が吹いた後、電柱がゆっくり倒れたという。「1961年の第2室戸台風の時より風が強かった」

 関西電力によると、今回の台風では近畿6府県と福井、三重両県の一部で延べ218万戸余りが停電。6日午前0時時点で31万戸超の停電が続いた。強烈な風で電柱が折れたり、電線が切れたりした▽電柱の変圧器に飛来物があたって壊れた――などが主な原因で、少なくとも581本の電柱に被害が出たという。

 大阪管区気象台によると、4日の最大瞬間風速は関西空港で58・1メートル、大阪府熊取町が51・2メートル、堺市で43・6メートルで、いずれも観測史上最大を記録。大阪市では47・4メートル、和歌山市でも57・4メートルを観測した。関電は風速20~40メートルの風に耐えられるよう電柱の強度を設計しているが、関電の担当者は「想定外の強い風が吹き続け、停電が広範囲になった可能性がある」とみる。

 変電所から各戸に電気を送るルートは設計上それぞれ一つで、迂回(うかい)ルートはない。関電は7日中の復旧を目指すとしているが、飛来物が道路をふさぎ、復旧作業が遅れている地域もあるという。病院や早期復旧が難しい地域は計約50台の電源車で対応するという。

 防衛大学校の小林文明教授(気象学)は「台風21号は、非常に強い勢力を弱めずに近代都市を直撃した初のケース。屋根が飛び、車が横転し、電柱も折れる風害を、大都市が初めて経験した」と指摘。広域停電対策については「電柱はどこにでもあり、風速60メートル以上の台風対策を設計するのは困難。飛散物を少なくするなど、大都市の設計をどうするか考えないといけない」と話した。