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 小児がんを乗り越え、津波対策を研究する東北大災害科学国際研究所助教の門廻充侍(せとしゅうじ)さん(28)が仙台市内で講演した。病気を抱えた子供やその家族、支援者ら約50人に「病気になってもやりたいことはできる。わくわくすることをやってみて」と呼びかけた。

 講演は、がんや心疾患など特定の慢性疾病を持つ子どもの療養、生活の悩みに応対する「小慢さぽーとせんたー」(仙台市・東北大学病院内)の主催。

 「大丈夫。マイペースに、歩んでいこうね」と題した講演で、門廻さんは9歳の頃にがんが見つかり、手術や化学療法などを受けた経験を紹介した。7カ月ほど入院し、小学校に復帰して迎えた運動会。組み体操に参加できない代わりに場内アナウンスを担当したが、悔しかったという。

 教諭らから特に説明はなかった。「『アナウンスは君にしかできない大事な役割だよ』と伝えてくれていたらプラスの解釈ができたのに」と、周囲の気遣い次第で病気の子供でも前向きにできると説いた。

 中高では体育や部活で制限を受けることなく、大学で物理学を学び、ハワイ留学も経験。治療で輸血などを通じて「多くの人に支えられた」との思いが強くなり、津波防災研究の道に進んだ。

 門廻さんは「親や友だち、支援者ら大勢が関わり、子供たちが様々な可能性と出会う機会をたくさん示してほしい」と訴えた。

 長男ががん経験者という仙台市の女性(47)は「親が苦しみを代わることもできないが、少しでもわくわくできますように、という思いです」と話した。

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http://www.asahi.com/apital/medicalnews/focus/(井上充昌)