[PR]

 台風21号の縦断から一夜明けた5日も、被災した店舗の休業や工場の操業停止は続いた。建物の浸水や損傷、停電で商品がつくれず、復旧のメドが立たないところもある。関西空港の被災で訪日客が減ることも懸念され、化粧品メーカーなどの関連企業の株価は下落した。

 神戸市の沿岸部にあるコンビニのローソン。5日午後、店の入り口に「休業」と手書きの紙が貼られていた。腰の高さほどまで浸水した跡が残り、従業員らが椅子やテーブル、商品棚などを店外に出して床などを掃除していた。脇にはアイスクリームや菓子が詰まったゴミ袋が大量に積み上がっていた。

 ローソンは5日、浸水被害があった兵庫県内の3店、関西空港内の4店の長期休業を決めた。5日午前9時時点では、近畿を中心に約300店が停電の影響で休業。おにぎりや弁当をつくる取引先工場でも停電が続き、営業している店でも一部で品薄になった。午後7時時点でも100店で影響が残る。

 ファミリーマートやセブン―イレブンも大阪、兵庫2府県を中心に、各約140店(午後4時時点)、約60店(午後1時時点)が休業している。

 工場では、サントリーホールディングスの京都ブルワリー(京都府長岡京市)が建物の損傷で4日午後からビールの製造を停止。キリンビバレッジの滋賀工場(滋賀県多賀町)は、製品を詰める段ボールが水につかるなどし、5日昼ごろまで生産の一部が遅れた。山崎製パンでもパンに使うクリームなどをつくる大阪府泉佐野市の工場が停電し、5日午後5時時点で操業できていない。

 生鮮トマトを育てる和歌山市のカゴメの子会社は温室の屋根ガラスが飛散し、生産を停止した。復旧のメドがたっていないという。非鉄金属の三菱マテリアルも、銅加工品を製造する堺市の工場の生産設備が高潮で浸水し、復旧時期が未定という。三重県四日市市の工場でも第2プラントの建屋の破損が分かり、停止中だ。紡績メーカーのシキボウは、ホテルのリネン品などをクリーニングする泉佐野市の工場建物に雨水が入って一部の機械がぬれ、復旧に1週間ほどかかる見通しだ。総菜大手のロック・フィールドでは神戸市の本社前の駐車場が冠水した。

 物流面でも、日本郵便の宅配便「ゆうパック」の配送に遅れが出ている。企業間物流を担うセンコーグループホールディングスは、各拠点で駐車中のトラックが複数台横転し、大阪府泉大津市や大阪・南港などの倉庫で屋根がはがれる被害などが出た。

 5日の東京株式市場では、台風の影響が長引けば訪日客の客足が鈍るとの懸念から、影響を受けそうな企業の株式が売られた。資生堂やコーセー、ファンケルなどの化粧品メーカーや、旅行関連のHISやANAホールディングス、日本航空、南海電気鉄道の株価が下がった。