【動画】時紀行・宇和島の真珠=井手さゆり、山田佳奈撮影
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 上品で、ファッションを格上げしてくれるジュエリー。自分で買うのはせいぜいコットンパールだが、いつかと憧れてきたのが真珠だった。「産地だったら安く売ってたりするんじゃないか」などという安易な気持ちで真珠の取材を考えた。

 取材を始めて、自分が真珠を全く知らないことに気付いた。「貝が海の中で10年くらい眠っているうちに、自然にできていくのだろう」などと思っていた。

 養殖業者の方たちはそもそも、母貝養殖と真珠養殖で分かれている。宇和島では「母貝屋さん」「玉入れ屋さん」と呼んでいた。

 卵子と精子を採取する「人工採苗」で5ミリほどに飼育された稚貝を、母貝業者が付着物の掃除、塩水消毒などを繰り返して2年育て、真珠養殖業者に売る。母貝は3年育てられたものを使う場合もある。

 真珠養殖業者はさらに母貝を選別した後、休ませ、核入れに備える。沿岸部で体力を回復させた後、夏に沖合の養殖いかだに移して本養殖が始まる。このまま冬に取り出した真珠を「当年物」、さらに1年、養殖期間を延ばしたものを「越物」と呼ぶ。

 養殖いかだに案内してもらった木下幸蔵さんによると、買った母貝のうち挿核できるのが7割ほどで、沖出しできるのが挿核したものの8割だったらいい方だという。真珠を取り出すまでにはさらに半分ほどになる。取りだした真珠も、商品になるのはまた一部だ。

 養殖いかだにぶら下げた後も、ずっと世話を続ける。およそ10日に1回の割合で高圧水流をかけて生えかけたフジツボや海藻を取り除く。1袋5キロほどにもなる貝が入ったネットを1日に2千袋ほどずつ持ち上げて船側に置いたウォッシャーに通していく。この他、年に何回は1個1個手作業で貝掃除をする。貝の栄養を守るためと、貝の刺激を与えるためだという。

 一方で、こうした作業の方法も、それぞれの考え方によって違う。経験と勘でやってきた世界で、進化の余地がたくさんあるのではないかと感じた。

 木下さんに船で連れて行っても…

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