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 南米パラグアイの外務省は5日、米国に追随し、5月にエルサレムに移転した在イスラエルの大使館について、商都テルアビブに再び戻すとの声明を発表した。8月に就任したアブドベニテス新大統領が前政権の決定を覆した。イスラエル側は猛反発しており、ネタニヤフ首相は在パラグアイ大使館を閉鎖するよう指示した。

 アブドベニテス氏は自身のツイッターに「イスラエルとパレスチナの人々が広範かつ公正で持続可能な平和を獲得すること。その願いが、決定の精神だ」と記した。現地報道によると、カスティグリオーニ外相は記者会見で「エルサレム移転は一国主義的で、正当化できるものではなかった」と述べた。

 これに対し、ネタニヤフ氏は「パラグアイの異常な決定を深刻に受けとめている」と強く反発した。

 一方、パレスチナ自治政府の議長府は「勇敢な行動」と称賛した。自治政府のマルキ外相が8月、パラグアイの大統領就任式に参加し、在イスラエル大使館をテルアビブに戻すよう要請していたという。

 パラグアイは5月、米国、グアテマラに続いて大使館を移転させた。退任直前だった親米派のカルテス前大統領が駆け込み的に行ったこともあり、「レガシー(業績)づくりが目的だ」などと批判があった。

 日本を含む多くの国はイスラエルとパレスチナの2国家共存に配慮して「移転しない」と明言している。(サンパウロ=岡田玄、エルサレム=渡辺丘)