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 6日午前3時8分ごろ、北海道胆振(いぶり)地方中東部を震源とする地震が発生。安平(あびら)町で震度6強を観測、厚真(あつま)町も同6強と推定されるなど道内各地が大きな揺れに襲われた。北海道庁によると、むかわ町と新ひだか町で2人が死亡。厚真町では大規模な土砂崩れが発生し、町によると少なくとも30人が安否不明、5人が心肺停止との情報がある。家屋の倒壊も相次ぎ、けが人が多数出ている。道内のほぼ全域の295万戸が停電し、JRや札幌市営地下鉄などの列車もすべてストップしている。

 北海道庁によると、土砂崩れがあった厚真町吉野地区では12人の無事を確認、十数人が安否不明。地区に通じる道路が土砂に覆われているため、道の防災ヘリと道警航空隊のヘリが救助にあたっている。各地で大規模な土砂崩れや家屋の倒壊が発生し、6日午前11時現在、道外からの応援を含めて警察、消防、自衛隊など約2万人、ヘリコプター51機の態勢で捜索救助活動にあたっている。

 北海道電力によると、地震発生直後、北電最大の火力発電所の苫東厚真発電所(厚真町)が緊急停止するなどし、道内ほぼ全域の全295万戸が停電している。全域での停電は初めて。世耕弘成経済産業相は6日午前、「北海道全域が完全に復旧するまでには少なくとも1週間以上かかる見通し」と話した。

 新千歳空港の6日の発着便は、国内線、国際線とも全便欠航となった。旅客ターミナルビル内で壁の損壊や水漏れが複数確認されたため。国土交通省新千歳空港事務所によると、滑走路や管制塔の設備に異常は確認されていない。地震発生後、同ビル内のホテルなどの利用客は従業員や警備員の誘導で1階に避難した。

 JR北海道も6日朝の始発から全線で運転を見合わせた。札幌市営地下鉄と市電も、停電のため始発から運転を見合わせている。

 新日鉄住金室蘭製鉄所の構内にある三菱製鋼室蘭特殊鋼によると、鉄を製造する工場から出火したが、ほぼ鎮火し、けが人や施設の大きな被害はないという。

 厚労省によると、午前9時現在で、道内では23災害拠点病院を含む82病院で停電。停電や水道管の破損で札幌市など16市町2239戸で断水が生じている。札幌市立小中学校はこの日、すべて休校となった。総務省消防庁は6日午前、333カ所で避難所が開設され、約2500人が避難していると明らかにした。

 北海道の高橋はるみ知事は午前6時、厚真、安平、白老、むかわの4町を対象に、自衛隊に災害派遣を要請した。防衛省によると、4千人を派遣、最終的には2万5千人規模で救助や支援にあたる方針だ。

 今回の地震の規模を示すマグニチュード(M)は6・7、震源の深さは37キロ(いずれも暫定値)と推定されている。津波の心配はないという。胆振地方で発生した地震としては、統計を取り始めた1923年以降、最大規模となる。また、札幌市では観測の記録がある1876年以降、震度4までしか記録されていなかったが、今回の地震では北区太平で観測史上最大となる震度5強の揺れを観測した。

 また、高層ビルなど大きな建物を揺らすとされる「長周期地震動」も観測され、北海道では初めて「階級4」(高層ビルの高層階では立っていられないほどの揺れになった可能性)を記録した。

 道内は5日午前、台風21号の影響で激しい風雨に見舞われ、さらに6日から7日にかけても雨が強まる可能性がある。気象庁によると、厚真町は震度6強の揺れだったと推定され、最初の激しい揺れ以降、正午までに胆振地方中東部では震度1以上の地震が52回発生。活発な地震活動が続いている。同庁地震津波監視課の松森敏幸課長は会見で、今後1週間程度は最大震度6強程度の地震に注意が必要とし、「崖崩れが起きた場所に近づいたりしないようお願いしたい」と呼びかけた。

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 各地の震度は次の通り。

 ▽震度6強 安平町

 ▽震度6弱 千歳市

 ▽震度5強 苫小牧市、恵庭市、札幌市北区、江別市、三笠市、長沼町、新ひだか町

 ▽震度5弱 室蘭市、登別市、白老町、北広島市、岩見沢市、南幌町、由仁町、栗山町、石狩市、新篠津村、函館市、胆振伊達市

 ▽震度4 札幌市中央区、夕張市、美唄市、月形町、当別町、七飯町、鹿部町、森町、壮瞥町、洞爺湖町、長万部町、上ノ国町、乙部町、せたな町、小樽市、余市町、赤井川村、ニセコ町、真狩村、留寿都村、喜茂別町、倶知安町、深川市、妹背牛町、秩父別町、北竜町、沼田町、芦別市、滝川市、砂川市、奈井江町、浦臼町、新十津川町、剣淵町、旭川市、鷹栖町、当麻町、富良野市、中富良野町、南富良野町、占冠村、留萌市、増毛町、平取町、浦河町、鹿追町、新得町、帯広市、音更町、清水町、芽室町、幕別町、池田町、浦幌町、大樹町、釧路市、階上町、むつ市、大間町、東通村