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 地震の影響で北海道のほぼ全域の295万戸が停電し、市民生活に大きな影響を及ぼした。

 JR北海道は、北海道新幹線を含む全14路線で運転を見合わせた。

 札幌駅のコンコースには、スーツケースを抱えて座り込む旅行者の姿があちこちで見られた。

 長野県松本市の大学生の女性(21)は札幌から小樽に向かい、フェリーで本州に戻る予定だった。「バスも混んでいるし、本州に出られる港を探し、最悪タクシーで向かうことになるかもしれない」と話す。

 勤続30年の記念旅行で北海道めぐりをしていた宇都宮市の会社員の女性(51)は函館経由で北海道新幹線を使い、帰宅しようとした矢先だった。「とりあえず家族に無事を伝えられた。どうやって帰ったらいいのか」と頭を抱えた。

 1日平均約56万人が利用する札幌市営地下鉄も3路線すべてが始発から運転を見合わせ、駅は閉鎖された。市中心部では、道路の信号機もほとんどが消えたままで、ごく一部の交差点では、警察官が手信号で交通整理にあたっていた。

 都心の大通駅の入り口には通勤客らが集まり、スマートフォンで情報収集していた。午前7時半から1時間ほど待ち続けた市内の会社員男性(42)は「そのうち再開すると思っていたが、時間がかかりそう。仕方ないのでタクシーで職場に向かいます」と話した。

 コンビニエンスストアやスーパーには、食料品を買い求めようとする人の長い列ができた。一部のコンビニでは、入店できる人数を制限し、電卓で会計しながら営業。札幌市中央区のコンビニでカップ麺や栄養補助食品などを買い物かごいっぱいに買った主婦(46)は「停電で冷蔵庫が使えないのでなまものは控えた。幸いガスと水道が使えるので、復旧まで何とかしのぎたい」と話した。

 病院にも影響が出ている。「強い揺れを感じたら、病院内は停電。直後は入院している患者さんがパニックになった」。千歳市の千歳桂病院の警備担当者は、発生直後の様子をそう振り返った。大きな被害はないというが、「非常用の発電機で対応しているが、燃料切れが心配。前日の台風でも停電。ようやく復旧したのにまた……」と言葉を詰まらせた。(長崎潤一郎、戸谷明裕、斎藤徹)