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 6日未明に起きた北海道胆振地方を震源とする地震で、道内各地で被害が出ている。

 三菱製鋼によると、北海道室蘭市の新日鉄住金室蘭製鉄所の構内にある子会社「三菱製鋼室蘭特殊鋼」の工場で6日午前4時ごろ、火災が起きた。火災はごく小規模といい、午前6時ごろには鎮火したという。従業員にケガはなかった。工場は一時操業を止めた。

 特殊鋼を造る機械の内部にあるベアリングの潤滑剤に引火したという。機械内部の余熱が原因とみられる。

日本製紙が生産ライン停止

 日本製紙によると、北海道苫小牧市と白老(しらおい)町にある工場では地震直後に生産ラインを急きょ停止。点検作業を進めている。従業員への被害はないという。

 このほか、釧路市の釧路工場は、たまたま法定点検中だったため操業していなかった。また旭川市の工場は、停電のため操業が止まっているが、復旧次第、生産を再開させたい考えだ。

王子製紙も

 王子製紙によると、北海道苫小牧市にある苫小牧工場は、停電のため6日朝時点で生産ラインが止まっているという。設備に異常がないか、点検作業を進めている。

JR貨物、道内全域で運行見合わせ

 JR貨物は6日、地震の発生直後から北海道全域での運行を見合わせている。通常、本州―北海道間を1日あたり約2万1千トンの貨物を運んでいるが、それらの輸送が全て止まっている状況だ。北海道へ送る貨物の受け付けもできない。広報は「代替手段を検討するかどうか、まずは様子を見極めている状況だ」と話している。

日本郵便、北海道宛て「ゆうパック」など引き受け停止

 日本郵便は6日、北海道胆振地方を震源とする地震の影響で、北海道宛ての宅配便「ゆうパック」や小さな荷物用の「ゆうパケット」、「ゆうメール」の引き受けを停止すると発表した。北海道発着の郵便物などの配達も大幅に遅れるという。また、停電などの影響で、6日午前9時時点で一部の郵便局の窓口業務を停止している。

物流も混乱

 北海道での地震で、物流にも影響が広がっている。日本通運は、航空貨物を取り扱う道内の七つの支店・営業所が全て停電し、道内全域での集配を停止した。

 ヤマト運輸も道内での集荷を全て停止した。道外からの荷物は、冷凍・冷蔵などを除いて受け付けている。ただ、「大幅に遅延するということをお客様に説明している」(広報)という。

 一方、佐川急便は、北海道内の配達、集荷に加えて、道外から北海道へ送る荷物の受け付けも見合わせた。

 航空貨物を扱う郵船ロジスティクスは新千歳空港内に営業所をおいているが、6日は営業停止を決定した。「新千歳空港の状況をまずは確認した上で、今後の振り替えの可能性も含めて検討する」(広報)としている。

メルカリ、サービスが一時停止

 北海道胆振地方を震源とする地震の影響で、フリーマーケットアプリのメルカリのサービスが、6日午前3時半前から2時間弱の間、利用できなくなった。

 メルカリは、「さくらインターネット」の石狩データセンター(北海道石狩市)を利用しており、データセンターで6日未明に起きた停電時の電源装置の障害によって、サービスに影響が出た。

 データセンターは現在、自家発電設備で正常に稼働をしている。ただ、非常用発電機で使っている重油は48時間分で、重油の追加手配を進めているという。

牛乳・ジャガイモ…北海道の「食」、停電の影響懸念

 JAグループを束ねる全国農業協同組合中央会(全中)の比嘉政浩専務理事は、停電の影響について「特に大規模な農業経営では電気施設に頼るところも多い。大きな影響がある」と指摘する。酪農では、自動で搾乳する装置を使う生産者も多いが、搾乳をしないと乳牛の体調が悪くなってしまう。発電機を備えている生産者も、重油の確保などが課題だという。

 ホクレン農業協同組合連合会によると、6日に集荷した生乳は、自家発電で動いている乳業工場に集中して運んでいるという。北海道から茨城県に生乳を運ぶ専用船「ほくれん丸」は、6日も予定通り出港した。

 野菜では、タマネギやジャガイモ、ニンジンなどの収穫期にあたる。電気がないと野菜の集荷場なども動かせず、鉄道での輸送もできない。代替の手段も含めて対応を検討している。

明治、森永乳業、雪印 製造を停止

 大手乳業メーカーの北海道内の工場も停電で製造を停止している。明治はチーズやバター、牛乳などを生産する7工場が停電し、設備の状況などを確認している。森永乳業は4工場、雪印メグミルクも7工場が停電し、操業ができない状態という。

キユーピー、カルビ-、マルハニチロも操業停止

 キユーピーは、液卵やポテトサラダをつくるグループの道内の4工場が、いずれも停電で操業できない状況が続いている。従業員には無理に出社しないよう指示しており、出社できる人員だけで工場の設備を点検している。

 カルビーは千歳市と帯広市の2工場でポテトチップスやフルグラ、じゃがりこ、じゃがポックルなどを製造している。2工場とも大きな被害はないが、停電で稼働が止まっている。停電が終われば稼働を再開する予定だ。

 マルハニチロは、サンマの缶詰や冷凍食品の製造・加工などの工場が道内にグループで11カ所ある。いずれも大きな被害はないが、停電のため操業を停止しており、復旧の見通しは立っていない。

日清食品、即席めん工場 停電のため操業停止

 日清食品によると、即席めんをつくる北海道千歳市の子会社の工場が停電のため操業を停止している。工場の外観には大きな被害がないが、工場内の確認はまだできていないという。従業員には自宅待機を指示した。人的被害がないことは確認したが、自宅が被害を受けた従業員もいるという。

伊藤ハム、小樽市・札幌市の工場稼働を終日停止

 伊藤ハム米久ホールディングスは、小樽市のハム・ソーセージ工場と札幌市の食肉加工工場の6日の稼働を終日停止することを決めた。地震による停電のため。災害対応にあたる一部要員を除いて、従業員は自宅待機にした。

丸大食品、工場・物流センターが停電で稼働停止

 丸大食品は、北海道岩見沢市にハム・ソーセージの工場、石狩市に物流センターなどを持ち、いずれも停電の影響で稼働を停止している。安否確認システムなどを使って、従業員や各拠点の建物や設備などに大きな被害が出ていないことは確認できているという。

ヤマハ発といすゞ、停電で工場停止

 ヤマハ発動機によると、ボートなどを生産する北海道八雲町の工場が停電のため稼働を停止している。設備に被害がないか確認している。いすゞ自動車の苫小牧市のエンジン工場も停電のため停止している。

京セラとパナソニック、北海道工場を休止

 京セラは6日、スマートフォンや光通信用の電子部品などを生産する北海道北見工場(北海道北見市)の操業を停止した。停電で生産設備が動かせず、従業員の出勤も困難なためだ。

 国内向けのスマホや携帯電話は北見工場ですべて製造しており、操業停止が長引けば、出荷に影響する可能性もある。電子部品は滋賀県や鹿児島県の工場でも生産しており、「供給に直ちに影響はない」(広報)としている。7日以降の操業は状況を見て判断する。

 パナソニックも6日、自動車部品やスマートフォンに搭載する電子部品をつくる北海道内の2工場を休止した。建物に被害はなかったが、停電で機械が動かせず、従業員も出社できないため。部品は海外の取引先にも納めており、「停電が長引くと生産や営業への影響が出てくるだろう」(広報)と気をもむ。

ゼネコンの施工現場 発電機で対応

 停電はゼネコンの施工現場にも影響を及ぼしている。大成建設は北海道内で約40の現場が施工中で、従業員も含めて大きな被害はなかった。ただ、基本的には、停電が回復するまでは現場はストップするという。

 一方、約20の現場を抱える鹿島は、道内のリース会社などから新たに発電機を借り受けて対応する考えだ。

 流通の停滞も今後、影響しそうだ。清水建設の広報担当者は「物流が途絶えると、資材の搬入ができなくなってしまうかもしれない。今後の影響を見極めたい」としている。

トヨタ自動車北海道、稼働停止

 トヨタ自動車は6日、子会社で変速機をつくるトヨタ自動車北海道(北海道苫小牧市)の同日夜勤以降の稼働を、当面、見合わせることを決めた。電力確保の見通しが立っていないため。6日朝から操業を止め、建物の安全確認を進めていた。トヨタ自によると、同日午後5時半時点でも建物や設備への被害を確認中できておらず、いつから稼働が再開できるかのメドはたっていないという。

 トヨタ北海道は変速機やハイブリッド車部品などの生産拠点。東北や東海、九州をはじめとする国内外のトヨタ工場に部品を供給している。トヨタ自は同等の部品を愛知県などの工場でもつくっているが、稼働の停止が長引けば、自動車生産に影響が出るおそれもある。

 トヨタは6日、東北から九州までトヨタ車を組み立てる国内18の自動車工場すべてについて、7日夕方以降に稼働するかどうかの判断を7日に先送りすることを決めた。子会社のダイハツ工業やトヨタ自動車東日本、トヨタ自動車九州などの工場も対象。部品調達の影響を見極めるためだという。