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 西日本豪雨による土砂崩れなどで一部区間が不通になっているJR呉線(87キロ)で9日朝、呉(広島県呉市)―坂(同県坂町)=14・8キロ=の運転が再開された。すでに復旧した区間を合わせても全体の3割ほどだが、2カ月ぶりに呉駅から広島駅までがつながった。

 呉線は豪雨の影響で、一時全線で不通に。8月2日に坂―海田市(広島県海田町)の5・2キロが、20日には広(呉市)―呉の6・8キロがそれぞれ復旧した。しかし、呉市中心部と広島市を直接行き来するには、代行バスを利用するしかなかった。

 JR西日本広島支社によると、通常の9割弱の本数で運転するという。残りの安芸川尻(呉市)―広は10月中、三原(同県三原市)―安芸川尻は来年1月中の復旧を見込んでいる。

 またこの日、JR山陽線の白市(広島県東広島市)―瀬野(広島市安芸区)の運転も再開した。

ダンプカーかき集め、早期復旧

 JR西日本は「過去に例のない事態」と災害直後の7月10日、特別復旧チームを発足。激しく被災し、当初「11月中」とされた区間を早期に復旧させ、呉と広島を2カ月でつないだ。

 過去に広島県内などで土木・建設関係に携わった経験がある社員やOBら8人が集結。陣頭指揮を任されたのは、出向先から広島支社の副支社長として送り込まれた西井学さん(52)だ。専門は鉄道土木の保守管理。チームは、延べ1千人超の作業員らと復旧に取り組んだ。特に急いだのは水尻駅(坂町)周辺。呉線のすぐ山側を並行して走る広島呉道路(クレアライン)の一部が崩落し、大量の土砂が駅のホームや周辺の線路に流れ込んでいた。

 流入した土砂の量を約1万2千立方メートルと試算。県内外一円からダンプカーをかき集め、周辺道路の交通量の少ない夜間に作業を集中させた。

 西井さんは「『何十年に1度の豪雨』が、来年も襲ってくるかもしれない。まずは復旧を急ぎながら、一方で災害に強い鉄道を整備していきたい」と話している。(原田悠自)