[PR]

 3年前の関東・東北豪雨で長男を亡くした母親が、教諭を務める作新学院中等部(宇都宮市)で命の尊さを教える防災教育に力を入れている。生徒たち一人ひとりと向き合い、「今を大切に」と我が子に諭すように話しかける。心の中には、今も笑顔を絶やさない息子がいる。

 2015年9月10日、日光市内は未明から豪雨に見舞われていた。同市に住む佐藤裕子さん(57)の長男、悦史(よしふみ)さん(当時25)は、市内にある勤務先の障害者福祉施設の様子を確認しようと、午前7時半過ぎに佐藤さんが用意した長靴を履いて車で出かけた。

 施設では近くの小川が増水し、駐車場付近まで冠水していた。悦史さんは上司らと一緒に排水作業を行ったが、作業中に排水管に吸い込まれてしまった。病院に運ばれたが、翌朝、両親と弟、妹に見守られて息を引き取った。

 悦史さんは、佐藤さんが教員の…

980円で月300本まで有料記事を読めるお得なシンプルコースのお申し込みはこちら