[PR]

 今年のピンクリボンフェスティバルにゲスト出演するアーティストの篠原ともえさん(39)は、乳がんになる人が増える40代目前。検診を受ける心構えや意義について、昭和大病院乳腺外科准教授の専門医、明石定子さんと一緒に考えてもらいました。

 篠原さん 39歳にして初めてマンモグラフィー(乳房X線撮影)と乳房の超音波検査を受けました。

 明石さん それでいいんです。乳がんになりやすい年齢は、40代後半から50代前半。自治体の行う検診は40歳からです。

 篠原 乳がんの検査が怖い、恥ずかしいという抵抗感がありました。

 明石 検診を受けたくないという理由に「痛そう」「恥ずかしい」というのはいつも挙がってきます。生理前で胸が張っているときなどは、撮影時に痛みを感じることもあります。月経開始から10日後ぐらいの比較的落ち着いたころに受けるのがいいと思います。

 篠原 足つぼマッサージの方がよっぽど痛いと思いました。医師に乳腺の写真を見せてもらいながら説明を受け、自分の体質を知るいい時間でした。

 明石 乳房の体質は人により違って、乳腺の密度が高い「高濃度乳房」では、乳房全体が真っ白に写ってしまうんです。「がん」も白く写るので、隠れて見えにくくなることがあります。自治体の検診結果から4割が高濃度乳房と推定されています。40歳代では超音波検査を併用すると、発見率が高くなるという研究結果もあります。

 篠原 初めて「乳がん」という言葉を聞いたのは小学生の時でした。仲の良かった女の子が「私のお母さんが乳がんになっちゃった」と涙をぽろぽろ流していて。その頃、「がん」は絶対治らない病気というイメージがあったのですごくショックを受けました。でも半年後ぐらいに「お母さんが元気になったの」と聞いて、子どもながらに「がんって治るんだ」という印象を受けたんです。

 明石 そうですね。乳がんというとすごく怖いという印象を持っている方が多いのですが、9割の方が治るのです。がんと言われるのが怖いからと検診に行かない方もいますが、早く見つけて早く対応すれば治る確率が高い。自分でも見つけられます。

 篠原 自分で見つけられるんですか?

 明石 乳がんは、検診で見つかる人と、自分で触ってしこりとして見つける人が半々ぐらいです。ただ、自分で触って「あれ? これしこりかな?」と気づくのは2~3センチの大きさになってから。検診の画像からは、2センチ以下の早期の乳がんが見つかります。

 実はしこりってがんだけではなくて、良性の線維腺腫やのう胞など、がんでないもののほうがたくさんあります。検査で初めてあやしいしこりを見つけたときには、針を刺すなどの精密検査をします。大丈夫となれば、翌年も大きさが変わっていないかを確認していくこともあります。

 篠原 針を刺すって痛そうですね。がんの可能性が高いということですか?

 明石 針生検という太い針を使うものは麻酔をしてから行います。細胞診だと、採血の時の注射針くらいなので傷も付きません。乳がん検診を受ける方の中で、精密検査を受けてくださいとなる人は5~6%。そのうち実際にがんと診断される人は、30分の1ほどです。

 今回は、お母様と一緒に受けたんですよね?

 篠原 1人で行くのが不安だったので、60代の母に相談して一緒に行きました。母娘だと恥ずかしくないし、もしも何かあった場合に1人では抱えきれないかと思って。母と話をするすごくいいきっかけになりました。実家から来てもらって「明日はいよいよだね」「大丈夫だといいね」と前夜に話しました。お互いの体を思うすごく静かな豊かな時間になって。体の似ているところも分かるし、奥深いところでつながり合えたというか。母娘で一緒って良いものですね。知るということは、安心材料になる。乳がんのイメージが、怖いものから向き合っていくものになりました。(聞き手・月舘彩子 写真・恵原弘太郎)

 

<アピタル:ニュース・フォーカス・その他>

http://www.asahi.com/apital/medicalnews/focus/