[PR]

愛知県がんセンター乳腺科部長・岩田広治さんに聞く

 乳がんは、国内の女性がかかるがんで最も多く、女性の11人に1人がなるがんです。日本乳癌(がん)学会は、世界中の研究成果を調査・分析して今年、3年ぶりに診療指針を改定しました。

 がんと診断された患者さんにどんな手術や薬などを提案したらいいか。診療指針は科学的な根拠を基に推奨度を決めています。改定内容を議論した会議には医師や看護師、薬剤師に加えて、今回から2人の乳がん経験者に加わってもらいました。

 医師ら医療者は、「治る」ことだけを考えがちです。でも患者が治療を選択するときには、効果だけでなく、副作用が少ない、体に付く傷が少ないといった理由から選びたいと思う人もいます。人によって価値観は違うので、そうした患者目線の意見を採り入れるために議論に入ってもらったのです。

 乳がんの発症が増えるのは、40代後半から50代。仕事や子育てに忙しい方が多い年齢です。さらにライフスタイルは人それぞれ。個々人にあった治療が求められています。指針は、医療者と患者が、治療の益と害の両面を話し合いながら一緒に考え、治療を決める「シェアード・ディシジョン・メイキング(共有意思決定)」に必要な情報を盛り込みました。

 来年には患者向けの指針の改定版も発刊されます。予防や、治療と就労の両立など、生活の中で注意すべき点などについても書かれています。ぜひ一度手にとって、乳がんのことを知ってほしいと思います。

<アピタル:ニュース・フォーカス・その他>

http://www.asahi.com/apital/medicalnews/focus/