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 世界を舞台に勝負できる若手監督を見いだそうと、奈良市に住む映画監督、河瀬直美さんの提唱で始まった「なら国際映画祭」が20~24日、同市内で開かれる。5回目の今回は、映画をつくる「表現者」だけでなく、作品の「批評者」となる人材の育成に目を向けたプログラムも取り入れ、新たなステップを踏み出す。

 初めての試みとして「ユース審査員部門」を設けた。ベルリン国際映画祭の推薦作品など長短編各5本ずつの映画を上映、公募で選ばれた約10人の十代の審査員が、それぞれの最優秀賞を選ぶ。ベルリン国際映画祭には、子ども向け映画を子どもが審査するジェネレーション部門があり、その日本版といえる。

 映画ジャーナリスト志望の若者を対象にした映画評論講座「シネマインターン」も開く。毎日放送プロデューサーでドキュメンタリー映画監督の榛葉健(しばたけし)さん、ラジオDJの野村雅夫さんをゲストに招き、マスメディアによる映画の批評や情報発信の在り方について、河瀬さんも交えて議論する。

 映画祭のエグゼクティブディレクターをつとめる河瀬さんは、「取材で切れ味のいい質問をされると、それまで気づきもしなかったことが意識にのぼり、次回作に生かされることもあります。私たち映画作家はメディアによっても育てられている」と話す。

 20日には奈良県文化会館つどいの広場で開会セレモニーが行われる。インターナショナルコンペティション部門審査員の歌人、俵万智さん、学生映画部門審査員の俳優、永瀬正敏さんらがレッドカーペットを歩く。同会館でオープニング上映されるのは、奈良市出身の加藤雅也さんが主演した「二階堂家物語」。前回のコンペ部門で最高賞の「ゴールデンSHIKA賞」を受賞したイラン人の女性監督、アイダ・パナハンデさんが奈良県天理市で撮影した、親子三代にわたる旧家の跡継ぎをめぐる物語だ。来年1月に一般公開の予定。出演者は他に石橋静河さん、白川和子さん、田中要次さんら。

 詳細は映画祭の公式ホームページ(http://nara-iff.jp/2018/別ウインドウで開きます)。年会費1万円の「レッドカーペットクラブ会員」になると、開会セレモニーでレッドカーペットを歩けたり、一部を除き映画が見放題になったりする特典がある。(保科龍朗)