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魚河岸ものがたり:21

 正門を抜け、青果棟と水産棟の間を貫く「旧時計台通り」の奥にウニのセリ場がある。バレーコートほどもある「低温卸売場」。築地に届くと、すぐにこの専用売り場に運び込まれる。

 ウニは築地の「箱入り娘」だ。真夏でも吐息が白くなる巨大冷蔵庫で取引され、中には手のひらに乗る1箱で1万円を軽く超える品もある。競り落とされると、揺り動かさないよう静かに大事に運ばれていく。

 いまは飛行機で築地に届くが、1969年まで夜汽車で運んでいた。里見真三著「すきやばし次郎 旬を握る」に、名人・小野次郎さんのこんな言葉がある。「朝、河岸に行くと、ウニの箱をいっぱい背負った男たちを何人も見かけて」

 かつて、国鉄の定年退職者には…

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