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魚河岸ものがたり:36

 江戸時代、各地の寺社では盛んに「放生会(ほうじょうえ)」という儀式が執り行われていた。

 生きている魚や鳥や動物を自然に放すことで、殺生を戒め、放した人の幸せを願う。富岡八幡宮(江東区)が特に有名だった。

 幕末の浮世絵師・歌川広重がそれを描いている。代表作「名所江戸百景」の「深川萬年橋」。小名木川に架かる万年橋の上。手桶(ておけ)から亀が糸でつるされ、その向こうに隅田川と富士山。亀は、誰かに放してもらうための売り物だ。

 同様の放生会が、築地市場で開…

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