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 明治の文人の心のよりどころにもなった盆栽の魅力を知ってほしいと、さいたま市北区の市大宮盆栽美術館で企画展「〈盆栽〉の物語~盆栽のたどった歴史」が開かれている。病床の正岡子規(1867~1902)が枕もとの盆栽で四季を感じていた、といった盆栽にまつわる数々のエピソードも紹介している。

 中国に起源をもつ盆栽は平安時代に日本へ伝わり、盆山(ぼんやま)、鉢植(はちうえ)と呼ばれていた。盆栽の文字が出版物に登場するのは江戸時代後期。園芸書「草木育種」の中で「盆栽(はちうへ)は土乾(つちかわか)ず湿(しけ)ず、よく下へ水の抜(ぬけ)るを第一とす」と栽培の解説に現れる。ただ読みは「はちうへ」で、「ぼんさい」の呼称が定着するのは江戸末期に中国趣味の煎茶会で飾られ、漢語風に呼ぶようになってから。今回の企画展の題で〈盆栽〉とカッコがついている由縁でもある。

 明治時代、病床にあった子規のもとには文人らから贈り物として盆栽が届けられていた。子規は随筆集「墨汁一滴」の中で「病牀(びょうしょう)で絵の写生の稽古するには、モデルにする者はそこらにある小(ちいさ)い器か、さうでなければいけ花か盆栽の花か位で外に仕方がない」と記している。

 枕べに友なき時は鉢植の梅に向…

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