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 不思議な一本の木に出合った。小夏、ブシュカン、スダチ、ダイダイ、直七の5種類のかんきつ系の果実が高さ約3メートルの木に同居している。

 その木は、高知県宿毛市宇須々木で農園を経営する久保悟さん(68)の自宅近くに立つ。小夏の栽培をしていた久保さんは5年前、小夏の木に接ぎ木を始めた。「何か新しいことをやってみたい」との思いがあった。

 毎年3月から4月、スダチやブシュカンなどの枝を次々と接ぎ木した。肥料を与え、草を刈って大事に世話をした。木は、南国の太陽と宿毛湾からの潮風を受けて、成長した。

 5種類は立派な実をつけた。特に濃い緑のスダチが元気がいい。晩酌で魚の刺し身にスダチをかけて食べるのが久保さんの楽しみだ。妻の小夜子さん(61)は「物好きな木とでも言うのか。夫は本当にうれしそうです」と笑う。(笠原雅俊)