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 北海道は10日、地震による停電がほぼ復旧してから初めての平日を迎えた。だが電気の供給に不安を抱え、政府は2割の節電を呼びかけている。札幌市の地下鉄では間引き運転が始まり、小売店は照明を減らすなど、日常からはまだ遠い「節電の朝」となった。

 札幌市営地下鉄の3路線全てが集まる大通駅(札幌市中央区)。午前8時ごろ、出勤する大勢の会社員らが改札を通った。

 市交通局はこの日から約2%の節電を目指し、午前10時から午後4時までの運行間隔を通常時の7分から8~9分に延ばした。市電を含めて全体では45本の列車が運休となる。朝夕の通勤ラッシュ時の時間帯を避けたのは、これまでも車内の室内灯を減らしたり、エスカレーターの使用を制限したりして、消費電力を減らしてきたためで、これ以上の間引きは「安全に関わるので難しい」(交通局)と説明している。

 同市白石区の会社員女性(32)は、この日初めて間引き運転を知った。シフト勤務で午後2時に出勤する日もあるといい、「しっかり時間を調べて動かないといけませんね」。同市西区の斎藤佳代さん(49)は「電力事情が厳しいから、仕方ない。昼間だけなら大きな影響はないと思う」と話す。地震で停電の不便さを痛感したといい、「いまはなるべく家族で一部屋に集まり、節電している」。

エスカレーター停止

 小売店でも節電の動きが広がる。スーパーマーケットなどを傘下にもつ「アークス」は、店舗内の陳列棚を下から照らす照明や、天井の照明の一部を減らすほか、営業時間を短縮した。地震後は普段より客数が多いため、広報担当者は「節電をどのように両立させるか、気を使いながらやる」。

 百貨店の大丸札幌店は、2~8階のエスカレーターを一部止めた。エスカレーターの停止は2003年の開店以来初めてという。館内放送もBGMを流さずに必要な案内のみにとどめ、全体で2割の節電を見込む。

 道内で約30店舗を展開する「パチンコひまわり」は2割の削減を掲げ、9日から各店舗での節電を始めた。ホール内の照明を50%削減し、ネオンや自動販売機の照明などを消した。JR札幌駅前の店舗の店長は「東日本大震災の時は夜間のライトアップをやめたが、店内での節電の取り組みは初めてです」と話す。

再開の学校も

 臨時休校していた学校も再開し始めた。札幌市東区の明園小学校は午前8時過ぎから児童らが次々と登校した。校区内にはまだ通行止めの場所もあり、保護者に手をつながれて登校する児童の姿も。2年生の娘を校門まで見送った女性(40)は「落ち着くまでは表情が少し硬かったが、早く学校に行きたがっていました」と話す。11日までの授業は3時間目までで、校内の照明をいつもの半分ほどに落とす。佐藤裕三校長は「学校が動き出すことが、地域の人たちにとっても日常に戻るメッセージになると思う」と話した。

 札幌市内では住宅などの被害状況を証明する「り災証明」の受け付けも始まった。被害が大きかった清田区では、午前8時45分の受け付け開始時に40人ほどが列をつくった。